就活適性検査のSPIと玉手箱のWEBテストでカンニングは内定取消?

コロナ禍での採用活動の適性検査がWEBで受検できるようになっています。

WEBテストは企業側にとっては会場の手配や試験監督の配置、問題や解答用紙の印刷から採点など手間が大幅に省けるメリットがあります。

一方就活生にとっては、テスト受験のために試験会場に出向くことなく自宅でも受験できるので負担が軽くなります。

一方でWEBテストを代行したりカンニングするなどの不正も行われるなどの事例も報道されるようになっています。

採用や就活での主要な選考手法となっているWEBテストについて、種類と対策、練習問題や不正について、コロナ禍になってからWEBテストを実際に採用ツールに使っている社会保険労務士資格を持つ大手企業の現役人事部管理職が分かりやすく解説します。

目次

就活適性検査の主要WEBテストはSPIや玉手箱など6種類

まずWEBテストの代表的な6種類です

SPI
最も多く採用されているWEBテストで、能力検査と性格検査があります。テストセンターやWEBテスティング、インハウス受験(企業内でPCで受験)ペーパーテスト(企業内でマークシートで受験)で受験することができます。

ENG
SPIの英語科目試験です。出題科目は、同意語、反意語、空欄補充、英英辞書、誤文訂正、和文英訳、長文読解となります。

玉手箱
玉手箱は自宅受検型のWebテストではトップシェアで、SPIと同じくらい有名なWEBテストです。
日本エス・エイチ・エルという会社が作成していて、GABやCABなどのWEB試験をつくっていて、玉手箱の対策をしていればGABやCABの対策にもなります。

GAB
玉手箱と同じ日本エス・エイチ・エル社が作成しています。玉手箱が基礎的な能力や性格を測る試験ですがGABは新卒総合職向けとなっています。

CAB
玉手箱、GABと同じ日本エス・エイチ・エル社が作成しています。主にSEやプログラマーの採用で使われています。

TG-WEB
近年有名企業で使われることが増えています。難易度が高く事前の対策が必須となっています。

WEBテスト対策 通過するためのポイントと練習問題

WEBテストは基本的に練習問題をすることが対策につながります。

それぞれ特徴があるので受検する企業が過去にどのようなWEBテストを採用しているか調べて対策しましょう。

SPI対策と練習問題


SPIの能力検査は言語分野と非言語分野があります。

言語分野の対策ではまず語彙を増やしてからSPIの問題形式に慣れるということです。

そして、問題集やWEBでの無料問題を多く解いて本番と同じスピードで回答するトレーニングを積みます。

文中の(   )の中に入る適切な表現は次のうちどれか。
チームスポーツと仕事はよく似ている。どちらもチームワークを学ぶ必要があるためだ。しかし後者は報酬として給与を得るが、前者は(   )ないという特徴を持っている。
ア 金銭的な報酬は得られ
イ 業界の将来性が
ウ 事業としての価値は
エ 精神的な充足が
オ 将来的に問題が
解答

問題文の引用

https://www.onecareer.jp/articles/823

玉手箱対策と練習問題

玉手箱の出題形式は8種類の中から1種類が出題されます。

計数理解が3種類、言語理解が3種類、英語が2種類で、1問あたりの回答時間も30秒と短いです。

8種類の解き方を覚え短時間で解き続けるトレーニングが必要です。

【計数理解】
①四則逆算(50問/9分)②図表の読み取り(29問/15分)③表の空欄の推測

【言語理解】
①長文把握②文章理解

【英語】
①長文把握②英語読解力

これらの問題になれるために問題集を解いて準備しましょう。

8種類のうちからしか出題されないので問題集でトレーニングを積んでおけば十分に対策が可能です。

【問題1】

2005年の南アメリカの輸出量は、2000年の南アメリカの輸出量に比べて何倍になったか?

1.約0.81倍
2.約0.83倍
3.約0.85倍
4.約0.87倍
5.約0.89倍

【問題2】

2000年の輸出量に比べて、最も変化率が大きいのはどれか?

1.南アメリカ
2.オセアニア
3.東南アジア
4.アフリカ

答え 
問題1 3.約0.85倍 593÷698=0.849≒約0.85倍
問題2 3.東南アジア(38%) 

問題文・回答例の出典:Unistyle

GAB対策と練習問題

GABは言語・計数などの知的能力やパーソナリティを測定するほか、バイタリティーやチームワークなどの9特性も予測することができます。

【言語理解】

数百文字の文章を読んだあとに文章について出題されます。

文章読解力が問われる試験で、1文約2分ほどの短時間で回答するトレーニングが必要です。

【英語理解】

英文を読んで設問に答えます。言語理解と同様に短い時間で解答しなければなりません。

【計数理解】

図表を見て問題を解く形式の試験です。電卓は使えないのでひっ算か暗算が求められます。

GABは事前対策で合格ライン突破は可能なので、問題集などでトレーニングすることをおススメします。

【問題】設問文1つ1つについてA・B・Cのいずれに当てはまるか答えなさい。

A 文脈の論理から明らかに正しい。または正しい内容を含んでいる。
B 文脈の論理から明らかに間違っている。または間違った内容を含んでいる。
C 本文の内容だけからでは、設問分は論理的に導けない。

設問
問1:コウモリやネズミの事例からもわかるように、動植物が人間的な感情や意識を持っていることは科学的に実証済みである。
問2:農作物に音楽を聞かせることで、生産性がアップする。
問3:「擬人主義」が根付いている日本では、欧米的な「人間中心主義」的な考えは忌み嫌われている。
問4:日本の「八百万の神信仰」は、「擬人主義」と似た性質を持っている。

答え 問1 B 問2 C 問3 C 問4 A

問題・回答例出典:一般常識一問一答.com

TG-WEB対策と練習問題

ヒューマネージ社の作成する自宅受験型の適性検査で、言語、計数、英語の3種類の出題科目があります。

他の適性検査と問題形式が異なり難易度が高めであると言われています。

そのためSPIや玉手箱の対策だけではカバーしきれない部分が多く、SPIなどで出題されない図形の問題なども出題されるためTG-WEB専用の対策が必要です。

【言語】

問題数12問で時間は12分、1問あたり1分で解きます。

文章読解の問題が出題され、回答時間が短いので、テンポよく解いていくことがポイントになります。

【計数】
問題数9問で時間は18分です、1問あたり3分で解きます。

基本的に9問のうち4問が図形・パズル形式、5問が推論形式の問題となっています。

推論形式の問題は文章から推測して解く問題で、SPIの非言語分野で出題される推論の問題と似ています。

図形・パズル形式の問題は複雑な図形の展開図を問う問題など、比較的難しい問題が出題されます。

SPIなどでほとんど出題されない問題なので独自の対策が必要です。

【英語】
問題数は10問で時間は15分です。

2つの長文が用意され、1つの長文につき5つの設問があります。

それぞれの設問では、空所補充、語句の言い換え、内容一致などの問題がランダムに出題され、大学受験に近い形式です。

辞書を使うことも可能ですが、回答時間が短いので、わからない単語を全て辞書で調べていたら時間がなくなるので、解答に直結する単語だけにしましょう。

次の(   )に入る適切な選択肢はどれか?
「Aという事象を理解する」ためには、「“Aでない”事象を理解する」必要がある。( X )、「表」という概念を把握するには「表ではない=裏」を知らなければならない、ということだ。この原理から言えば、私たちが理解したつもりでいる様々な事柄についても、それと相対する存在について( Y )である限り、本質的に理解したとは言えないのかもしれない。「きれい」を分かるには、「きれいでない≒きたない」も分かってないといけない。「正しい」を見つけるには、「正しくない」を知らないと、振り分けられない。「正義」を定義するならば、「正義でない≒悪」も定義しないといけない。

選択肢
A X=そして、Y=懐疑的
B X=だが、Y=無関心
C X=けれども、Y=博識
D X=つまり、Y=無知
E X=また、Y=未確認
F X=結局、Y=悲観的

問題・回答例引用:一般常識一問一答.com

答え D

WEBテスト代行の費用とカンニングの最大のリスクは内定取消

WEBテストの代行業者が数多くあります。

8000~15000円くらいが代行費用の相場といわれています。

結論から言うと代行受験しても企業側が見抜くことは難しいです。

ただ高得点すぎる場合は怪しいと感じますし、面接の印象と得点がかけ離れていると不信感を感じます。

こうなると選考でボーダーラインとなった場合は落とされる可能性が高まります。

また適性検査を代行していた男性が逮捕された事件もあり、発覚するリスクも高くなっており、最悪の場合内定取消もあります。

発覚すると間違いなく内定取り消しです

WEBテストの得点が選考に占める割合はそれほど高くなく、あまりに得点が低い就活生を落とす場合に用いる企業が大半です。

そのために決して安くない費用とリスクをかけるのは得策とはいえないでしょう。

WEBテストの監視型はカンニングはばれる

WEBテストのカンニングはオンライン監視型であれば発覚する可能性が高いです。

カンニングが発覚すると選考で落とされることは確実で、内定後に発覚した場合は内定取り消しになります。

WEB監視型以外のWEBテストであればカンニングが露見する可能性は低いですが、高得点すぎる場合や面接での印象とかけなはれた得点の場合はカンニングが怪しまれる可能性がありますので、敢えてカンニングするリスクをおかす必要があるのかを考えてください。

カンニングはリスクと比較すると割に合わないのでは・・

WEBテストがボロボロの場合落ちる確率は?

WEBテストに手ごたえがなくボロボロだった場合選考にどの程度影響があるのか。

結論からいうと業界と選考段階によります。

コンサルや金融などでは能力・知的領域で一定以上の得点がないと選考を通過するのは難しいでしょう。

また選考の初期段階では「足切り」に使うケースが多いので足切りラインに達しないと自動的に落ちてしまいます。

WEBテストがボロボロで著しく低得点の場合、選考で落ちる確率は高まります。

WEBテストを通過する対策と練習問題 まとめ


1 SPIや玉手箱は問題集を解くことで対策は可能

2 TG-WEBは難易度が高く、事前対策は必須

3 代行やカンニングはメリットとリスクをよく考えて

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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この記事を書いた人

社労士資格をもつ大手企業人事部管理職・工藤です。10年以上新卒採用と中途採用を担当した経験から採用のお手伝いをします。

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