就活の「ガクチカ」評価される書き方のテンプレートと例文

就活が始まると「ガクチカ」という言葉を見聞きすることが増えます。

「ガクチカ」は学生時代に力を入れたことの略語で、主に新卒採用のエントリーシートや面接で問われることが多く選考の柱となる要素です。

しかし、コロナ禍での学生生活で人と人との接触が大きく制限され、就活でアピールする「ガクチカ」がない、と悩む就活生の声を見聞きします。

また「ガクチカ」では輝かしい経験が必要なのではないか、と考える就活生も多くいます。

「ガクチカ」には輝かしい経歴は必ずしも必要はなく、コロナ禍でも自分が経験したことの中で何を感じて学んだ事が表現できればそれが評価される「ガクチカ」になります。

この記事では「ガクチカ」に悩む就活生に「ガクチカ」とは何か、アピールにつながる「ガクチカ」の書き方を大手企業で10年以上採用を担当している社会保険労務士資格を持つ現役人事部管理職が解説します。

目次

コロナ禍で「ガクチカ」が書けないと悩む就活生が急増

2020年ころから始まった「コロナ禍」で課外活動はおろか授業すらリモートとなり、学校に入学しても同級生や先輩、後輩と直接会ったことがないまま月日が流れ、短大生ではリモートの大学生活のまま卒業してしまった、というケースもあります。

コロナ禍との直接的な関連はわからないのですが、就活生の学歴では短大から4年制大学への編入歴が増えています。

大学入学時には海外への留学を計画していても渡航が大きく制限され留学を断念したケースも多くあります。

部活やサークル活動に入ろうと思っていても活動は全てWEBで同期や先輩後輩との触れ合いも制限され、直接あったことはないままで活動らしい活動ができなかった、という声も多く聞きます。

こうした制限下の学生生活を余儀なくされ「ガクチカ」がない、書けない、という就活生が増えています。

「ガクチカ」に派手な経歴はいらない

一方で「ガクチカ」に輝かしい経歴が必要だと考える就活生もいます。

部活動で全国大会の優勝や起業、海外への留学やボランティア活動等々、こうした経歴はESに書きやすく、面接でも答えやすく、一見輝かしく見えるだけに高評価されるのでは、と考えてしまいがちです。

しかし、採用担当者が「ガクチカ」から読み取りたいことは就活生の能力や人柄、考え方、価値観などです。

スポーツの全国大会で優勝したからといって企業で活躍できる人材であることが保証されているわけではなく、

海外に留学したからといって、周囲と力を合わせてプロジェクトを進めていける力が備わっているわけではありません。

採用担当者が「ガクチカ」から得たい情報は「ガクチカ」をやろうとした理由と実際に経験したことや感じたこと、そして何を学びいまの自分にどのように経験が活かされているのか、ということです。

華美な経験や経歴が評価されるのではなく、就活生が何を大切にして、どのように取り組み、困難や課題に直面したときにどのように乗り越え何を学んだのか、こうした内容が分かりやすく伝えられると好印象を与える「ガクチカ」になります。

ガクチカに説得力を持たせるのはリアルさです

就活で評価される「ガクチカ」の書きかた「PREP」法「STAR法」

では具体的にどのような「ガクチカ」が評価されるのでしょうか。

「ガクチカ」には華美な経歴や経験は必ずしも必要ありませんが、大切なことは要点を得た内容と伝わりやすい書き方です。

「ガクチカ」をわかりやすく書く「PREP法」と「STAR法」のテンプレート

「ガクチカ」に限らず、ビジネスシーンでのプレゼンなどあらゆる表現の場で使えるのが「PREP法」です。

PREP法

P Point(結論、主張 要点)

R Reason(理由)

E Example(例)

P Point(結論、主張、要点)

始めに結論や主張、要点など最も伝えたいことを書きます。そのうえで結論や主張に至った理由、理由の裏付けとなる事例やデータなど、そして最後に改めて結論や主張をまとめます。

こうすることで、話のポイントとその理由が簡潔に伝わります。

次に「PREP法」に則って文章の大きな枠組みを整えたうえで、あなたの「ガクチカ」に説得力やリアル感を与える書き方が「STAR法」です。

STAR法

S Situation(状況)

T Task  Target(目標や課題)

A Action(行動)

R Result(結果)

まず、どのような状況であったかを述べて、状況下での課題や目標があり、課題を解決したり目標を達成するためにどのような行動をとったのか、その結果はどうなったか。

大切なことは状況はリアルに、課題は明確にできれば数値なども踏まえて、行動は「頑張った」や「努力した」などど抽象的なことではなく具体的に書くことです。

結果は「楽しかった」や「得難い経験になった」という内面的なことではなく、課題や目標が達成され状況がどのように変わったか、ということです。

PREP法で構成しSTAR法で記述します

「ガクチカ」で資格や留学、授業、ゼミ、アルバイトは評価されるか

「ガクチカ」に書かれている内容で多いのは資格取得や留学経験、アルバイトにサークル活動です。

これらは「ガクチカ」で多くみられるテーマですが、これでなければ「ガクチカ」が書けない、という訳ではありません。

普段の授業やゼミでも学んだことと成長できたことが書かれていれば問題ありません。

「ガクチカ」で大事なことは要点が絞れた内容と書き方です。

些細な経験でも、課題や目標がありそこで何をして、何を学んだのかが分かりやすく書かれていれば評価につながる「ガクチカ」になります。

ほかの就活生が書いていないテーマだと注目されます

「ガクチカ」に高校時代の出来事は?

「ガクチカ」に高校時代の出来事を書くことはNGではありません。

ただ、高校時代の出来事が今のあなたの活動と人格形成にどう繋がるのかが問われます。

高校時代から、学習支援のボランティアをはじめ大学でも活動を継続し、さらには就学支援の団体を立ち上げるなど活動が一貫していれば問題はなく、むしろ継続的に活動をしていることが評価につながります。

採用担当者が唸るガクチカの例文

まず、NGの例文です

私が大学生活で力を入れていたのは、サッカーサークルです。

私が所属していたチームはメンバーの活動参加率が低く、練習日を設定しても11人集まらないこともありました。そこでチームとしてコミュニケーションをとったり、ゲーム練習を増やすなどして、練習参加を促すようしました。

その結果、練習参加率は上がり、練習日には紅白戦ができるほど練習が活発化しました。

引退前の最後の大会ではリーグ優勝できるほどまでになりました。

活動が活発になって、サッカーサークルに真剣に取り組んで多くのことを学ぶことができました。

同じ出来事をリライトします。

私が大学生活で力を入れたこと、それはサッカーサークルの立て直しです。

なぜなら、私が好きなスポーツで高い目標にチャレンジしたかったからです。

サッカーサークルは活動が停滞していて、練習日に11人集まらないこともしばしばでした。

このままでは日々の練習もままならないため、私が目標にしているリーグ優勝は達成できないと思い、どうしたら目標が達成できるかをサークル仲間とコミュニケーションをとり、どうして活動が停滞しているか、課題を聞き出しました。

その結果、練習スケジュールの連絡が直前で、アルバイトなどとの調整ができない、練習も基礎練習中心で面白くない、などの課題が浮き彫りになりました。

私はサークル幹部や後輩と話し合いの場を提案し、自分がスケジュール調整と連絡役を買って出て、月末に翌月のスケジュールを発表するようにしました。またサッカー経験が豊富な下級生にお願いして、基礎練習も盛り込んだゲーム形式の練習方法を考えてもらい、練習でも実践しました。

そうすると練習参加者も日に日に増えて、22人以上が集まるようになり紅白戦も組めるようになりました。そしてチームの実力もあがり引退前の最後の試合では目標だったリーグ優勝もかなえることができました。

こうした経験から、チームの立て直しには、課題を洗い出したうえで自分から率先して動くことの大切さ、そして能力のある人にはたとえ後輩であってもお願いして力を貸してもらうことの重要さを学び、チームの立て直しをすることができました。

停滞していたサッカーサークルの立て直しという同じ題材でも、自分が何をしたのか、その結果自分が学んだことの具体例を盛り込むことで説得力が増す「ガクチカ」になります。

就活で聞かれる「ガクチカ」まとめ

1 「ガクチカ」は華美な経験は必ずしも必要ではない、些細なことでも何をして何を学んだかが大事

2 「ガクチカ」は書き方が重要、「PREP法」と「STAR法」を駆使してリアルな描写で説得力を

3 集団目線ではなく自分目線で

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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この記事を書いた人

社労士資格をもつ大手企業人事部管理職・工藤です。10年以上新卒採用と中途採用を担当した経験から採用のお手伝いをします。

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