採用で使える構造化面接とは?具体例と質問例

採用するときに面接の評価基準が曖昧になっていませんか?

学歴や経歴に引っ張られ評価が偏ったり、面接での受け答えの印象だけで高評価を与えてしまったりして

内定を出した人材の能力にばらつきがあり、期待されていた能力やスキルが備わっていなかった、

そんな経験をしたことはありませんか?

これらの現象が起きるのは実は面接方法に原因があります。

受検者の隠れた特性を見極めようと、エントリーシートの深掘りに終始してしまい、本来兼ね備えてほしい能力やスキルを測るための質問が正しくできていないからなのです。

この記事では、採用で欲しい人材を正しく見極めるのに有効な構造化面接について、社会保険労務士資格を持つ大手企業の現役人事部管理職が、面接官として実際に構造化面接を使ってきた実務経験をもとに得た構造化面接のノウハウをわかりやすく解説します。

目次

Google社が採用する構造化面接とは?

構造化面接とは受検者に予め設定した質問を投げかけ一律の評価基準に沿って評価していく面接手法です。

Google社が採用で採り入れていることで注目を集めていますが、新しい面接手法ではなく日本でも古くから採り入れられています。

面接担当者のスキルや経験、価値観によって評価が左右されることがない面接手法です。

臨床心理学で古くから使われる手法で

Google社が採用面接で使っているといわれ、人材要件に厳格に合致した人材を求める外資系企業やIT企業を中心に注目が集まっています。

構造化面接の具体例

構造化面接を採用している具体例で有名なのはGoogle社です。

Googleの採用チームは、試験的に小規模なグループから構造化面接を採り入れなした。

その結果、面接官の採用に関わる時間の大幅な短縮につながった、選考に落ちた受検者の満足度が高まった,

という結果が得られたとして、構造化面接の対象を拡大しています。

構造化面接の質問例

構造化面接では起点となる質問と展開する質問を用意します。

起点となる質問の主なものとして「職務に関する質問」「行動に対する質問」「状況に対する質問」があります。

職務に関する質問例

職務に関する質問では、募集している職務の仕事内容や知識、見識を問い必要なスキルや経験が受検者に備わっているかを評価します。

1 食品業界の将来性と課題を教えてください
2 前職で使用していた労務管理ソフトは何ですか?長所と短所を教えてください
3 日本の総合商社の強みと弱点を教えてください
4 化粧品業界で来年の主流となる商品は何になると思いますか?
5 デジタル広告と電波媒体広告のそれぞれの長所と短所、そして5年後の将来像を教えてください。

できるだけ職務について具体的な質問をします。

評価者はその職務に精通した人材が担当することになります。

行動に関する質問例

行動に関する質問は、候補者に職務で経験したこと、とくにどのような行動をとったかがポイントになります。

課題に直面した時の職務遂行能力を知ることができる質問です。

1 前職で直面した最大のピンチとその時にどのように対応したか教えてください。
2 仕事を進めるうえで同僚と意見が食い違った時のことを教えてください。そしてどのように意見を調整して
  仕事を進めたか教えてください。
3 これまでのキャリアで最も成し遂げたことを教えてください。そしてその目標を達成するために何をしたの        
  かを教えてください。
4 クライアントから実現が極めて困難な要求をされた時のことと、その時にどのように対応したのかを教えて    
  ください

行動に関する質問はSTAR質問法が効果的

上記の質問は行動に関する質問で起点となる質問です。

回答をうけてさらに深掘りしていきます。

その際に有効なのが「STAR質問法」です。
STAR質問法は以下の頭文字から命名されています。

S SITUATION
T TASK
A ACTION
R RESULT

まず当時の状況(SITUATION)を述べさせます。

つぎに状況に対して求められていた課題(TASK)を明示してもらいます。

そして具体的にどんな行動(ACTION)をとったのか

その結果どのような結果(RESULT)が得られたのか。

回答が具体的でさらに行動が実務的に効果的だったのか、そして得られた結果に内容によって評価していきます。

あらかじめ起点となる質問と、STAR質問法による掘り下げ質問を決めておきます

STAR質問法は面接に限らず有効な手法です

状況に関する質問例

状況に関する質問では、主に入社後を仮定して起こりうるトラブルやミッションに対してどのような考え方をしてどのように行動をとるのかを問います。

受検者の分析能力、課題解決能力やチームワーク能力を測ることができます。

1 転勤で新しく赴任してゼロから販路拡大を求められた場合、どのような戦略を立てますか
2 シェアトップを誇っていたクライアントから、シェアを下げる提案を受けた場合どう対応しますか?
3 弊社の事業部長になりました。まずどのようなことを手掛けますか?
4 プロジェクトの完了直前でターゲットの範囲が変更されました、どう対応しますか?
5 部下のモチベーションが下がっています、どのようにチームを立て直しますか?

状況に関する質問も行動に関する質問と同様に起点となる質問と「STAR質問法」による掘り下げ質問をあらかじめ決めておくことが大切です。

掘り下げ質問はなんとなくではなく、文章で決めておくことが大切です。

構造化面接と非構造化面接、半構造化面接との違い

構造化面接は質問内容があらかじめ統一されていて、面接官が自由に質問する余地はありません。

このため全ての受検者が同じ質問を受けることになります。

同じ質問を受けるので選考内容にばらつきがでることはなく、あらかじめ評価基準を定めて評価されるので

面接官の主観や思い込みで評価が分かれることはありません。

構造化面接の逆である非構造化面接とは

非構造化面接とは構造化面接とは真逆で、面接の質問が全て面接官の自由裁量に委ねられています。

受検者の答えに応じて、面接官が自由に質問を投げかけていきます。

面接のマニュアルや進行台本のようなものはないので、受検者の答えに応じて面接が展開していきます。

構造化面接と非構造化面接の中間 半構造化面接

半構造化面接とは構造化面接と非構造化面接のかけ合わせたハイブリッド型の面接手法です。

構造化面接と同じように予め基本的な質問と評価基準を定めておきます。

基本的な質問は必ず全員に投げかけますが、その答えによって面接官の裁量で深掘りの質問をすることができます。

構造化面接のメリットとデメリット

構造化面接のメリットとデメリットを整理します。

構造化面接のメリット・デメリットをよく理解したうえで、事前に面接官で質問を十分に検討して面接台本と評価方法を作っておくことが構造化面接を成功させるカギとなります。

構造化面接の評価法

構造化面接の評価法は5段階などの点数評価が基本です。

具体性、実効性、説得力などの要素をどれだけ満たすかによって各点数を設定しておきます。点数化することで評価基準を揃えることができ、面接官の社内的な地位やキャラクターに左右されなくなります。

採用で使える構造化面接 まとめ

1 構造化面接は評価にばらつきがでない面接手法

2 面接効率があがり面接官の面接経験やスキルに左右されない

3 機械的な印象を与えがちで、受検者の隠れた一面が評価されにくい

最後まで読んでいただきありがとうございます。

よかったらシェアしてね!

この記事を書いた人

社労士資格をもつ大手企業人事部管理職・工藤です。10年以上新卒採用と中途採用を担当した経験から採用のお手伝いをします。

コメント

コメントする

目次
閉じる