新卒でも経験者(中途)採用でも応募者を集めるにはキャッチコピーはとても大切です。
キャッチコピーは仕事を探す人の最初に目に入ってくるもので、瞬間的に興味を持ってもらえないとエントリーにはつながりません。
キャッチコピーは採用ブランディングの一環なので、ただキャッチコピーを考えればいいというものではなく、企業哲学とも密接にかかわってきます。
この記事では新卒採用でも経験者(中途)採用でも使える、仕事を探している人の心に届くキャッチコピーの作り方を、10年以上新卒採用や経験者(中途)採用を担当している社会保険労務士資格を持つ大手企業の人事部管理職が解説します。
求人が集まる面白い採用キャッチコピーとは
キャッチコピーとは、商品やサービスの魅力を一言で伝えるフレーズです。
大辞林ではキャッチコピーは「消費者の心を強く捉える効果をねらった印象的な宣伝文句」※と記載されています。
採用キャッチコピーとは「自社の魅力や経営ビジョンなどを伝え応募者の心を強く捉える効果を狙った宣伝文句」で、少子高齢化で売り手市場となっている若年層の採用においては優秀な人材を集める鍵となっています。
就活生が企業をHP等でチェックする場合、トップページに大きく書かれている採用キャッチコピーは最初に目に入る文章で、就活生が抱く企業の第一印象となります。
キャッチコピーが就活生の注意をひくことができれば、求人の詳細や企業情報などに目を通す確率も高まります。
興味を持ってくれる就活生が増えればより大きな母集団形成につながり、エントリー数も増え、優秀な人材確保につながります。
*引用:『大辞林』(第三版)
求人が集まる面白い採用キャッチコピー
求人が集まる面白い採用キャッチコピーは単に「面白おかしい」キャッチコピーではありません。
面白い採用キャッチコピーとは、読んだ人の興味を引いて「どんな企業なのか知りたい」という好奇心を刺激するキャッチコピーです。
未経験でもつくれる採用キャッチコピーの作り方
①求める人物像「ペルソナ」を設定する ※上部内部リンク参照
採用キャッチコピーにとどまらず、採用計画の根本となるのが求める人物像の「ペルソナ」をつくることです。
「ペルソナ」は実際に存在する人物のように出身地、年齢、性別、学歴、趣味、好きな食べもの、休日の過ごし方、家族構成、年収、読んでいる新聞や雑誌、使っているスマートフォンの機種など、できるだけ細かく設定します。
「ペルソナ」が定まったら、どのような言葉に共感するのか、どのようなキーワードで企業を探すかが想定しやすくなり、より効果的な採用キャッチコピーを作り出すことができます。
まずペルソナをしっかり作るのが採用活動の基本です
②自社の強みと経営ビジョンをまとめる
他社にはない自社の強みを書き出します。
同時に経営ビジョンや経営方針とも照らし合わせながら、伝えたいメッセージの要素を箇条書きしていきます。
箇条書きされたものを整理していくと、最も伝えたいメッセージのエッセンスがまとまります。
伝えたい情報を凝縮させます
③競合他社や地域の採用競合社の採用キャッチコピーを調べる
採用市場で競争となる競合他社や、人材を奪い合うことになる同じ地域での採用競合社の採用キャッチコピーと、他社の企業理念や求めているであろう人物像(ペルソナ)などと照らし合わせます。
他社のキャッチコピーから抱く印象と企業理念にマッチしているか、想定される他社のペルソナに訴求できているかを複数人で話し合ってみましょう。
こうすることでこれから作り上げる採用キャッチコピーが企業の独りよがりなものではなく、ターゲットにしっかり届く内容にすることができます。
差別化を図ります
④シンプルで13文字以内の採用キャッチコピーを作る
採用キャッチコピーは「短くわかりやすく」がポイントです。
採用キャッチコピーの文字数ですが、1フレーズで読み切れるおおむね13文字以内が目安です。
13文字はスマートホンの画面で見るのにちょうど良い字数だからです。
言いたいことを全部詰め込もうとすると、それはただの説明文となり心には刺さりません。
簡単に記憶できて、かつ印象に残るものを作るようにしましょう。
実際に音読して読みやすさ、耳に残りやすさも重要なポイントで、SNSで拡散するうえでも、短いキャッチコピーの方が効果的です。
短く、わかりやすいシンプルなキャッチコピーに仕上げましょう。
できるだけシンプルに
記憶に残る採用キャッチコピーのコツ
①句読点をつかう
日本語の表現ではリズム感が重要です。
俳句、短歌も定型で心地よいリズム感で表現しています。
リズム感を出すためには句読点を使うことが効果的です。
例)「セブンイレブン、いい気分」(株式会社セブン‐イレブン・ジャパン)
②そこにいる人に話しかけるように
多数への呼びかけではなく、一人に呼びかけるようなメッセージが有効です
例えばライブなどでステージ上のアーティストが
「アリーナ席の皆さん!」と呼びかけるよりも「アリーナ席のあなた!」と呼びかけたほうが
まるでアーティストが自分に送ったメッセージのように感じます。
キャッチコピーも同じで、目の前にいる人に語りかけるようなメッセージにしましょう。
例)「きれいなお姉さんは好きですか?」(ナショナル美容用品)
③少し「?」が残るように
例)「お、ねだん以上。」(ニトリ)
「ニトリ」の有名なキャッチコピーですが、聞いたときに思わず「なぜ?」と思ってしまいます
「何が値段以上なのだろう?」と。
疑問が残ることで、もっと知りたいという好奇心が刺激され、さらに企業のことを調べてくれるようになることが期待できます。
注意したいNGな採用キャッチコピー
①奇抜すぎるのは要注意
注意を惹こうと奇抜なキャッチコピーをつけようとするケースがありますが、奇抜であればいいという訳ではありません。
奇抜になりすぎて求める人物像のペルソナから乖離していったり、企業理念や自社の強みとは関係のないものになってしまうことがあります。
奇抜なキャッチコピーが候補に残ったら今一度、訴えたいメッセージがきちんと盛り込まれているかを確認しましょう。
②狙いすぎて意味不明
他社にはない採用キャッチコピーだけど、結局何をいいたいのかわからない。
そんな採用キャッチコピーには求める人材は集まりにくいです。
採用キャッチコピーはシンプルなのが鉄則です。
②ブラック企業と誤解されるキャッチコピーに注意
母集団を増やしたいと、楽に稼げるような印象を与えようとするキャッチコピーはNGです。
「難しいスキルは必要なし」「高収入を約束」「時間外は一切なし」・・
などのキャッチコピーはキャリアアップを目指す意識の高い就活生や転職希望者からは敬遠されます。
また「応募者が集まらない、離職が相次ぐブラック企業なのでは?」とブラック企業と推測される可能性もあります。
印象に残る採用キャッチコピー 一覧
いい子になるな、いい個になれ(株式会社三井住友銀行)
知名度だけが一流の会社で働くより 知名度だけが二流の会社で働きたい(リクナビ)
パンか、ごはんか、ファミマか。(ファミリーマート)
一生、面白い仕事(吉本興業ホールディングス)
はじめの、一粒。(サカタのタネ)
一生ものに、懸ける。(三菱地所)
誰かの、一番星であれ(サッポロビール)
未来を切り開く馬鹿集合(株式会社日テレ アックスオン)
未経験でもつくれる採用キャッチコピーの作り方 まとめ
1 採用キャッチコピー次第で応募者数は大きく変わる
2 企業理念や企業の強み、伝えたいメッセージを凝縮する
3 13文字以内でリズム感のあるシンプルな採用キャッチコピーを
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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