就活で入社前に副業可能か確認する調べ方と面接で副業していいか聞く方法

会社勤めしながら副業をするという選択が増えています。

大手企業でも副業を解禁する動きがでていますが、まだ副業解禁に踏み切れない企業も多くあります。

副業解禁にはメリットもデメリットもありますが、一つの会社で定年まで働くという考え方が薄れてきて、スキルアップのために転職を重ねるという働き方を選択する人は増えています。

スキルアップにつながる副業をしたい」「副業から本業への波及効果も期待できる」「収入を上げたい」などなど副業をしたい理由は様々ですが、副業を認めている会社を見つけ出す必要があります。

この記事では就職しても副業したい場合に、副業を認めている会社の探し方と、面接などの選考段階で副業を認めているかを確認する方法を、10年以上新卒や経験者(中途)採用を担当している社会保険労務士資格を持つ大手企業の人事部管理職が解説します。

目次

副業可能で副業できる会社は増加中

副業を認める会社は増えています。

パーソル総合研究所が2018年に行った「副業実態・意識調査結果【企業編】」によりますと、2018年段階で過去3年間に副業を認めた会社が52%でした。

2018年の調査では副業を認める会社と認めない会社はともに50%で拮抗していましたが、ここ3年以内に副業を認める会社が増えていることから、2023年度の統計では副業を認める会社は50%を超えていることが予想されます。

厚生労働省も副業解禁のガイドラインを作成しています

副業できる会社を入社前に調べる方法

新卒でも経験者(中途)の場合でも副業可能な会社を探す有効な方法は「転職サイト」で検索することです。

「エン転職」などの転職サイトで検索

①「詳しい条件でさがす」をクリック

②特徴&TOPICSで「副業OK」にチェック

転職サイト大手の「マイナビ転職」や「リクナビNEXT」でも同様に副業可能な企業を検索することができます。

副業できる会社かどうか就業規則を確認する

副業がOKかどうかを確認するためには、転職しようとしている会社の就業規則をチェックするという方法があります。

労働基準法では従業員が10名以上の企業は就業規則を労働基準監督署へ届出することが定められています。

就業規則は「周知」することが義務づけられているので、社員であれば就業規則を閲覧することができます。

ただし外部の人間は閲覧することはできないので、興味のある会社に知り合いがいる場合に限られます。

面接で副業していいか聞く方法

面接で副業していいか確認するのはリスクがあります。

なぜなら副業を許可していない企業だった場合は、副業の可否を質問した時点でマイナス評価につながる可能性があるからです。

そのうえでできるだけリスクを抑えて副業可能かを確認するには、会社での仕事に活かすために副業したいということを伝えることです。

パーソル研究所の調査によりますと、副業を許可してプラスの効果を感じている企業の割合は、人材採用面で45.9%、離職防止で50.9%、モチベーション向上で50.3%、スキル向上で49.7%、社外人脈拡大で52.2%。副業を許可した企業が感じているメリットは大きいと言えます。

この調査結果を参考に副業を本業に活かすためという文脈で質問をします。

面接で副業していいか聞く質問の例文

私は応募している営業企画職に活かすために、WEBライティングの仕事を続けたいと思っています。

WEBライティングはこれまで副業として続けていたのですが、WEB上で分かりやすく興味を持って読んでもらう記事を書く仕事で、PVを獲得するうえでのSEO対策も学べますので、営業企画職で新商品のWEB広告展開に役立てたいと考えています。

御社では本業に役立てるための副業をすることはできますか?

面接で副業可能かを聞くのは不採用も受け入れる覚悟が必要

会社が考える「正社員が副業してはいけない」理由

まず労働基準法にも労働契約法にも民法にも会社が全面的に副業を禁止することは許されていません。

会社と雇用契約を結んだ社員は労務を提供する義務があるだけで、就業時間以外の行動を会社が拘束することはできません。

副業禁止の根拠となるのは就業規則によるものであり、就業時間以外の社員のプライベートな時間に、会社が就業規則を根拠に無制限に副業を禁止することは法律上は許されません。

会社が考える正社員が副業してはいけない主な理由を代表的な判例をもとに解説します。

理由① 副業で長時間の労働となり本業に支障がでるから

建設会社で事務をしていた女性社員が、飲食店で毎夜6時間の副業をしていたことが発覚し解雇され会社を訴えた事件です。

裁判所は「単なる余暇利用のアルバイトの域を超えるものであり、副業が債務者への労働の誠実な提供に何らかの支障をきたす蓋然性が高い」として、解雇の有効性を認めています。

逆に、運送会社の運転手が年に1、2回の貨物運送のアルバイトをしたことや、大学教授が夜間や週末に語学学校の講師をしていたことを理由とする解雇に対しては、「本業に影響はない」として、裁判所は解雇を無効とする判決を下しています。

このように、裁判所は、副業をすることによる本業の業務遂行への影響の有無を、副業禁止が有効かどうかの判断基準としています。

最近増えているインターネットを使った副業ですが、副業にのめり込んで深夜まで副業をしてしまい、本業の会社に遅刻をしたり、就業時間中に居眠りをしたりしてしまうと、就業規則で禁止している副業が明らかになった場合に解雇の危険性が高まります。

労働時間は本業と副業を通算しなければなりません

理由② 本業と副業が競業関係になるから

靴小売店の商品部長が、自ら会社を設立して同業を営んだため解雇され会社を訴える事件がありました。

これに対し裁判所は、本業の取引先から仕入を行ったことが解雇相当の重要事実と認定し「信頼関係を損なう背信的行為であると認める」として解雇は有効と判断しています。

したがって、本業と競合になる業種の副業は避けたほうがいいでしょう。

理由③ 副業の内容が会社の信用を失墜させるから

本業の知名度や信用を使ったビジネスや反社会勢力と接点を持つような副業は、社会通念上も解雇相当と考えられますので、副業としてはNGです。

本業と利害関係になる副業は避けましょう

就活で副業可能か確認する方法 まとめ

1 副業を認める会社は増加中

2 転職サイトで「副業OK」で検索が有効

3 副業の全面禁止を認める法律はない

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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この記事を書いた人

社労士資格をもつ大手企業人事部管理職・工藤です。10年以上新卒採用と中途採用を担当した経験から採用のお手伝いをします。

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