転職理由の第一位は「年収アップ」です。
転職で年収を上げたいのはやまやまですが、自分の転職市場での価値や景気などで希望年収と
転職で得られる年収が異なってしまうことがあります。
また年収は希望額であっても仕事内容や勤務地などの条件が下がってしまうこともあります。
転職で後悔しないためには、自分の市場価値や年代や地域の相場など客観的な情報を多く集めて、
企業とわだかまりを残さないように年収交渉を進める必要があります。
この記事では転職で後悔しないために、年収をアップさせる年収交渉法や年代別の相場などを、
10年以上実際に転職者の年収設定を担当している社会保険労務士資格を持つ大手企業の現役人事部管理職が解説します。
転職で後悔しない年収交渉方法
企業に「ただ年収を上げてください」というだけでは年収はあがりません。
入社後にどれだけ貢献できるのかを説得力をもって説明する必要があります
年収アップの交渉方法① 資格やスキル・経験から客観的な市場価値を算出
まず、就職してから今日までの自分のキャリアや資格、経験などを整理し転職市場において自分はどの程度の価値があるのかを算出しましょう。
年収アップの交渉方法② 裏付けのある主観的な希望年収額を算出
年齢、家族構成、教育費、扶養家族の人数など生活するうえで必要な収入額があるので、希望年収の裏付けとなる状況を整理しておきます。
年収交渉のベースとなる希望年収は裏付けとなる市場価格と個人の事情の両方を提示できるように準備します。
怠りがちなのが現在の年収の把握です。
源泉徴収票などから公的に認定されている現在の年収を把握します。
市場価格、個人的事情、年収実績から、転職活動で希望する年収額を決めます。
客観と主観で裏付けを用意すると説得力がでます
年収アップの交渉方法③ 企業内が想定している年収を予想する
募集しているポジションや必要な資格など確認します。
ほとんどの企業では職責や職階、資格の有無によって年収の幅が決まっています。
募集しているポジションではどの程度の年収になるかを予測し、希望年収とかけ離れていれば応募自体を考え直したほうがいいでしょう。
年収アップの交渉方法④ 年収交渉はタイミングが重要
年収アップは譲れない条件で入社することよりも優先するのであれば、できるだけ早い段階で希望年収を伝えます。
希望額を明らかにして「年収を上げるのが第一目的です」と伝えて、企業がそれだけの金額を出せないのであれば、早めに選考を辞退しましょう。
それだけの金額を出す価値があると判断されれば年収交渉には前向きに対応してくれて、以降の選考は順調にすすみます。
年収アップは大事ですが、多少年収は譲歩しても入社することのほうが優先される場合です。
この場合、希望年収を伝えるのは、企業側から希望年収を聞かれた場合です。
希望年収を聞かれる前に伝えると、印象が悪くなる可能性があります。
希望年収を聞かれたら、希望年収と受け入れ可能な最低年収を伝えます。
年収の幅を提示されたほうが企業側も検討しやすくなります。
最終選考が終わっても希望年収が聞かれなかった場合、どのような金額でも入社したい気持ちが強ければ、
希望年収を伝えずに選考結果がでるのを待ちます。
最低年収を下回れば入社しない決意であれば、内定が出る前に必ず希望年収を伝えます。
内定が出てからの年収交渉はマナーに反しますので避けましょう。
交渉事なので空気感を読んでください
年収交渉が苦手な場合はプロに任せる
直接年収交渉するのが苦手な場合はプロに任せるという手段もあります。
転職エージェントを使えば、企業探しからエントリー・面接対策、年収交渉や入社までのサポートが
無料で受けることができます。
転職エージェントは総合型から特化型まで様々ですが、筆者の会社でも実際に使っていて企業側からみても一定の評価を得ているエージェントを紹介します。
①リクルートエージェント(総合型)
非公開求人が10万件で転職エージェントの中では最大級です。
転職希望者の適性に合った企業を紹介するのでミスマッチも少ない印象です。
②マイナビジョブ20’s(20代特化型)
若手の求人が多く伸びしろが豊富な20代の転職希望者特化型の転職エージェントです。
転職希望者の個性や自主性を重視し、カウンセリングからマンツーマンで転職をサポートします。
時間がとれない人はエージェントを使うのもありですね
転職での年代別年収相場
年代別の年収相場は就職情報会社から様々な数字が出されていますが、最も実態を反映しているのは
国税庁の数字です。
徴収している税金を元に算出していますので思惑や狙いなどは一切入っていないリアルな数字です。
年代 | 男性 | 女性 |
20~24 | 307万円 | 258万円 |
25~29 | 413万円 | 311万円 |
30~34 | 513万円 | 307万円 |
35~39 | 589万円 | 291万円 |
40~44 | 645万円 | 286万円 |
45~49 | 695万円 | 275万円 |
50~54 | 737万円 | 283万円 |
55~59 | 702万円 | 273万円 |
転職で「年収が上がりすぎて怖い」その理由と7割は年収が下がる実態
転職して年収が上がる人は3割といわれています。
そして3割の年収が上がった人の中には「年収が上がりすぎた」という人もいます。
転職で年収が上がりすぎた人の理由です。
1 年収ベースの高い業界へ転職
2 急成長中の業界へ転職
3 前職でスキルと資格などが正当に評価されていなかった
自分の価値を高めて、自分を正当に評価してくれる業界や企業を見つけ出せれば
「年収が上がりすぎて怖い」ということも夢ではありません。
転職した人の7割は年収が下がるか同程度
転職で年収が上がった人が3割なので、残りの7割は下がるか同程度だったということになります。
年収アップを目指して転職するのであれば、しっかり準備をして臨むほうがいいでしょう。
年収UPは簡単ではないですね
転職の年収交渉で嘘は絶対NG
転職後の年収を上げるために、現職の年収を嘘をついて高めに申告するケースがあります。
これは絶対にNGです。
転職に成功しても所得税の計算で前職の年収を転職先企業は把握します。
嘘をついていたら確実に発覚します。
嘘をついて入社した場合、解雇は免れることはできません。
場合によっては損害賠償請求の対象になります。
現在の年収を伝える場合は嘘は絶対についてはいけません。
企業がかけた採用費用を賠償することも・・
転職で年収アップする年収交渉方法 まとめ
1 年収交渉のベースは客観的な市場価格と個人的な事情を踏まえた希望年収
2 年収アップか入社なのか優先順位を決めておく
3 年収交渉で嘘は致命的な結果をもたらす
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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