転職活動の最終関門は最終面接です。
ゴールは目の前なのですが最終面接を乗り越えなければ内定を勝ち取ることはできません。
最終面接では何を聞かれてどう答えたらいいのか考え始めたらきりがないのですが、できるだけ準備を重ねれば心配は減ります。
そして合格者にだけ出す合格サインというのが最終面接にはあります。
この記事では最終面接を控えた転職希望者向けに、最終面接の狙いと聞かれることへの模範解答、最終面接の通過率、合格サインについて、10年以上にわたって中途採用を担当し内定を出してきた社会保険労務士資格を持つ大手企業の現役人事部管理職が分かりやすく解説します。
転職の最終面接の狙いは?社長や役員から聞かれることは?
転職の面接回数の平均は2~3回です。
最終面接に臨むということは能力やスキルは合格ラインを超えていることが前提となっていて、最終決裁者である社長や役員による採用の可否が決定される場です。
最終面接までの評価が逆転することもありますし、転職の場合は新卒と比べて面接回数が少ないので最終面接で落ちる人も新卒よりも多くなる傾向があります。
最終面接の狙いは、経営者目線で企業への貢献度や中長期的に企業へ利益をもたらしてくれる人材であるかを見極めることになります。
経営者が目指す企業の未来像にマッチする人材であるか、経営者が部下として使いたい人材であるかどうかが重要です。
最終面接での回答には、これまでの面接以上に「貢献度」「やる気」をアピールすることが効果的です。
転職の最終面接で聞かれることの模範解答
経営者が最終面接で見極めたいと思うことは「貢献度」と「意欲」です。
候補者を採用したらどの部署でどのようなパフォーマンスを発揮してくれるか、部署の雰囲気をどれくらい前向きに変えてくれるかを測りたいと考えています。
これまでの経験から最終面接でよく聞かれる質問について解説します。
「あなたの経験は入社後にどの事業でどのように活躍できると考えていますか?」
この質問の狙いは、経営者が感じている中長期的な課題に対してどう貢献できるかを問うています。
答え方としては、主観を排して客観で自分が成し遂げた成果を伝え、そのスキルがどう志望企業で活かせるのかを具体的に伝えます。
【模範解答例】
「私は現職では販売促進企画を担当していました。自社の新製品は小学生から未就学児向けの商品でしたが、シェアが伸び悩んでいました。そこで小学生から未就学児の子を持つ親をターゲットにして、子供向けのファミリーイベントを地元大手流通グループの冠イベントとして企画しました。広告代理店やイベント会社を巻き込み、大手流通グループのニーズを組み込んだイベントを実施しました。参加家族のデータを収集するなどの施策も盛り込んだ企画を実現し、大手流通グループの満足度を高めることに成功し、ライバル社よりも有利な棚を確保することにつながり、シェアを20%UPさせることができました。こうした経験は御社の主力商品の@@のシェア向上につながる販売促進企画の立案に貢献できると考えています」
具体的な取り組みと結果で回答
「これまでの仕事で感じたあなたの長所と短所を教えてください」
この質問の狙いは、長所については会社が求めるポイントと応募者が考える得意な部分がマッチするのかを聞き、短所は自分を客観視できているか、そして短所を克服することができるのかを見極めようとしています。
答え方としては、自分の得意な分野を具体的にどのように活かしてきたのかと、どう貢献できるのかを伝えます。短所は性格的なこととか人柄に関することは避けて、スキル的な弱みと改善のために務めていることを答えます。
【模範解答例】
「私の長所は傾聴です。現職ではクライアント様が潜在的に抱える課題を見つけ出し、解決策を提示するコンサルティングをしていました。担当させていただいていたあるクライアント様から、通販サイトの登録数に比較して売り上げが伸びていないことへの対応策が求めらました。クライアント様と5日間、延べ15時間のヒアリングをさせていただき、原因が通販サイトの商品訴求力と動線に課題があることを見つけ出しました。自社のEコマースチームの意見を聞いて、クライアント様にカスタマイズした解決策を提案した結果、クライアント様の通販サイトの売り上げが150%UPしました。こうした粘り強く対話を重ねて課題を見つけ出した経験は御社が抱える問題に対しても、解決につながる提案ができると考えています。短所はデザイン系のアプリがまだ不得意です。PPTなどでも魅力的な図柄を描き出すことができていないので、WEBでの指導を受けて克服したいと思います。」
内面的なことではなく具体的なことを
転職の最終面接の通過率は?ほぼ合格するというのは本当か?
最終面接の通過率は企業によってまちまちです。
最終面接に残った人材は「だれを採っても能力は問題ありません」という評価を得た人とされています。
しかし採用担当としては社長と役員が内定者を選びだすために比較対象を用意しますので、ホンネの部分では全員が能力が合格点に達しているのではありません。
これまで10年以上採用を担当してきて、自社の事績と他社の選考を調べた結果、最終面接参加者がほぼ合格というのはなく、通過率は50%~60%程度と考えています。
最終面接では決して油断しないで
最終面接で受かるサインの7タイプ
1 入社後の研修の話題やイベントへの招待
面接官の心の中では入社してどのように力を発揮してもらうかを考えていることの現れです。
2 笑いが多い
あなたに心を開いていて、これから一緒に働くうえで関係性を近づけたいと考えています。
3 雑談の時間が多い
聞くべきことは聞いて結果は出ているので、あとは和やかな時間にしたいという思いです。
4 自分の話に共感してくれる
あなたを高く評価している表れです。
5 結果連絡は電話
入社の意思確認と入社後の手続きを詳しく説明するために合格者には電話連絡します。
6 他社の選考状況を詳しく聞かれる
あなたを確保するために、自社よりも有力な企業の選考が進んでいるのかを確認したい考えです。
7 面接時間が長い
あなたをもっと知りたい、という思いです。
最終面接の結果が来るのは翌日か?
多くの場合は最終面接の結果通知は翌日です。
面接が終わってから内定者を出すまでに、採点を集計し事務局で整理して方向性を出し、社長の意思を確認して役員会(取締役会)で決をとる必要があります。
午前中に面接が終了する場合は当日に結果の通知が来る場合もありますが、午後にもずれ込む場合は翌日に通知されることになります。
転職の最終面接で聞かれること まとめ
1 最終面接の狙いは貢献性と将来性を見定める
2 具体的に何ができるのかをアピール
3 最終面接でも半数近くは落ちるので要注意
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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