採用ブランディング成功事例とブランディングで成功する方法

「採用活動がうまくいかない」「どうしたら求める人物像にマッチした人材が来てくれるのか?」

そんな悩みを抱えた採用担当者も多いと思います。

年々応募者が減り内定を出しても辞退が相次ぎ、人員配置計画の修正を余儀なくされる名の通った大企業がある一方で、あまり知名度が高くない中小企業でも採用予定人員を確保し、人材定着につながっている企業も数多くあります。

これは様々な要因が考えられますが、その一つに「採用ブランディング」があげられると考えられます。

「採用ブランディング」がうまくいくと、求める人物像にマッチした人材層に自社のメッセージが届き

応募者の数も質も向上し採用活動の効率も上がり採用コストも下がります。

この記事では「採用ブランディング」の具体的施策の組み立て方と成功例を、実際に自社の採用ブランディングに関わっている社会保険労務士資格を持つ現役大手企業人事部管理職が分かりやすく解説します。

目次

採用を成功に導く採用ブランディングとは

採用ブランディングとは、企業が目指す方向性や自社の強みと魅力などをオリジナルメッセージとして発信することで認知度を上げ、就活生や転職希望者が自社に対して抱くイメージを向上させ、共感や信頼、志望度を高めることで活発で効率のいい採用活動につなげていくことです。

オリジナルメッセージを伝えることで「この企業で働きたい」という自社のファンとなるような人材を獲得することができる、企業規模や知名度に関係なく明日からでも実践できる有効な取り組みです。

採用ブランディングが求められる背景

参考 第39回 ワークス大卒求人倍率調査(2023年卒)

民間企業の求人倍率の推移です。

2023年卒の場合、民間企業の就職希望者が40万人に対し、求人総数は70万人で求人倍率1.58倍と売り手市場となっています。

若年人口が少なくなっているので、新卒や既卒を含めた若年労働者の奪い合いは当面続きます。

このような労働市場であるので、「募集しても十分な母集団が形成てきない」「母集団が一定数集まっても求める人物像に合致した人がいない」「内定を出しても辞退が出る」「入社しても定着しない」など人材確保の悩みは尽きません。

就活生や転職希望者のうち、優秀な人材はいくつも内定を得ることができるので、しっかりと自分に合った企業を選ぶ傾向が強まっています。また入社してもミスマッチを感じると躊躇なく転職してしまいます。

このような採用市場においては、企業が目指す方法性を示し、どのような人材を求めているのかを明確に打ち出し、他社と差別化したメッセージとして就活生や転職希望者の送り届けることが求められます

そのために「採用ブランディング」が必要なのです。

採用ブランディングの成功事例

ここで著名な企業が採用ブランディングの手法で採用実績を大幅に改善させた事例を紹介します。

原点回帰でV字回復「日本マクドナルド」


マクドナルドは知らない人はほとんどいないハンバーガーチェーンです。

日本マクドナルドは2014年から2015年にかけて不祥事が続き業績も落ち込みましたが「原点回帰」をキーワードに様々な施策を打ち出し業績はV字回復しました。

採用ではアルバイト採用の体験会を催して定着率を高めたり、新卒や中途採用では採用HPに「あなただから動かせる心がある」というコピーを全面に押し出しています。

ビジネスの基盤は「ピープル」とし、ピープル(人)の心を動かす仕事だという企業理念を掲げ、社員インタビューを多く掲載、文字よりもアニメーションを多く取り入れた採用サイトで印象に訴えることで、企業理念にシンパシーを抱く就活生を集めることに成功しています。

老舗米菓子メーカーの大胆な挑戦「三幸製菓」

「雪の宿」や「ぱりんこ」などの米菓子で知られる新潟の老舗菓子メーカーである三幸製菓は、地方都市の企業ということもあり応募者が少ないことが採用担当の悩みでした。

知名度が少ないことを逆手にとって成長の伸びしろがあり企業成長力があるとし、熱量を採用ブランディングの柱として就活生に訴える戦略をとりました。

採用サイトや制作物などすべてのデザインを一新して「企業成長力」と「熱量」を強くアピールしたことで

応募者が300人から13000人に増えました。

三幸製菓では採用方法も面接主体から適性に応じた「カフェテリア採用」などユニークな採用手法で優秀な人材獲得に成功しています。

採用を成功に導く採用ブランディング方法

ブランディングは以下の4ステップを踏んで作り上げます

STEP1 誰に発信するのか

まずターゲットを定めます。

発信するターゲットは採用の求める人物像「ペルソナ」と一致します。

理系学生か文系か、学士、修士か博士か、年齢層はいくつくらいで、性格や気質はどうか、ライフスタイルや趣味、さらには家族構成はどうなっているのか・・

これは求める人物像を定める作業と同じで、求める人物像が採用ブランディングのターゲットになります。

できるだけ具体的に、抽象的な人物像ではなく「リアルに存在する人」と感じられるまで具体的にターゲットを定めていきます。

ターゲットはできるだけ細かく決めるのがポイント

STPE2 自社の強みを分析、何を武器に戦うのか

ターゲットを獲得するには武器が必要です。

採用ブランディングの武器は自社にしかない強みです。

自社について客観的に整理・分析したあとは、自社の強みを言語化していきましょう。

まずは業界内の売り上げやシェア、独自商品やサービスなど自社が持っている優位点をリストアップします。

つぎに働く上での環境面の特徴とアピールポイントを整理します。

待遇や福利厚生面、職場風土や目標になるような先輩社員などで訴求できるポイントを整理します。

若い世代は特にワークライフバランスを重視するので、女性だけでなく男性の育休取得率や有休休暇取得日数、平均時間外労働時間などが、業界だけでなく日本全体の平均よりも良い数字であれば訴求ポイントになります。

STEP③ 採用戦略の立案 マスかニッチか、局地戦か全面戦争か

ターゲットが決まり、武器も決まればあとは戦い方です。

大々的な予算を投じて就活サイトの上位企業層で採用活動を展開するのか、それともニッチな採用市場でのナンバー1を目指すのか戦略を立てます。

戦略が立ったら戦術です。

就活サイト、イベント参加、採用サイトのリニューアル、SNSの駆使などターゲットに最も響くツールを揃えます。

STEP④ 採用ブランディングメッセージをつくる

自社の強みや訴求ポイントを端的に伝え、企業理念を踏まえた採用ブランディングを言語化したメッセージをつくります。

採用ブランディングメッセージは採用の各段階で最も目につくところに掲げられますので、就活生が抱く企業イメージとなります。

メッセージといっても文章ではなくキャッチコピーなので20文字程度の端的な言葉になります。

採用ブランディングメッセージをつくる際のポイントです

1 端的に強みや訴求ポイントが表現できているか

2 ターゲットが共感できるか

3 他社と差別化できているか

あとは戦略からぶれずに、戦術を臨機応変に使い分け、定期的に戦略と就活生が求めているものに乖離が生じていないかを確認しながら突き進みます。

採用ブランディングメッセージ事例

服を変え変え、世界を変え、世界を変えていく。

ファストリテイリングhttps://www.fastretailing.com/employment/ja/fastretailing/jp/graduate/

一生面白い仕事

吉本興業ホールディングスhttps://recruit.yoshimoto.co.jp/

はじめの、一粒。

サカタのタネhttps://www.sakataseed-recruit.jp/

地図に残る仕事。

大成建設https://www.taisei.co.jp/saiyo/new/

Beauty for People  世界の女性に寄り添う

ワコールhttps://career.wacoal.co.jp

意味のある銀行

農林中央金庫http://www.nochubank-saiyo.com/recruit/

採用ブランディング コンサルタントに依頼する場合の費用は

採用ブランディングをコンサルタントに依頼する場合の相場は100万からになります。

企業戦略とも密接にかかわってくるので綿密な作業になります。

また採用ブランディング作業から、募集、選考、内定、入社フォローまでを採用代行に一括で依頼することもできます。

採用を成功に導くブランディング まとめ

1 採用ブランディングは企業規模や知名度に関わらず有効な手法

2 ターゲットの選定と自社の強みの分析が重要

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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この記事を書いた人

社労士資格をもつ大手企業人事部管理職・工藤です。10年以上新卒採用と中途採用を担当した経験から採用のお手伝いをします。

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