採用で取得した個人情報の取り扱い方法と同意書は必要か?

採用活動で取得した個人情報の取り扱いに頭を悩ませている人事担当者は多いのではないでしょうか?

履歴書やエントリーシート、職務経歴書だけでなく、適性検査の結果や面接時の評価シートも個人情報であり、法律で保護が求められる「個人情報」になります。

個人情報は一度でも流出トラブルを起こしてしまうと、企業の信頼は大きく失墜してしまいます。

このため採用活動で取得した多数の個人情報の取り扱いには特に注意が必要です。

この記事では採用担当者が知っておきたい個人情報のルールと保管期間、必要な手続きなどを社会保険労務士資格を持つ大手企業の人事部管理職がわかりやすく解説します。

目次

採用活動で得られる個人情報は履歴書やエントリーシートなど

まず個人情報の定義を確認します。

個人情報保護法で保護される「個人情報」とは、以下のいずれかに該当する情報を意味します(個人情報保護法2条1項)。

①情報に含まれる氏名・生年月日その他の記述等により、特定の個人を識別することができるもの
②以下の符号(個人識別符号)が含まれるもの
・DNA情報や容貌など、身体的特徴を変換した符号
・旅券番号
・基礎年金番号
・免許証番号
・住民票コード
・個人番号(マイナンバー)
・健康保険証の被保険者記号、番号
など

「特定の個人を識別することができる」という点が、個人情報に該当するのかの判断するポイントです。

採用活動で、履歴書や就活生から提出されたエントリーシートや職務経歴書などは、特定の個人を識別することができる情報が記載されているので「個人情報」として保護されます。

なお、データベース上で保存・管理されている個人情報は「個人データ」と呼ばれています(同条6項)。

個人データも、個人情報の一種です。

採用で得られた情報はほぼ全て個人情報です

採用で得られた個人情報の取扱いのガイドライン

2020年に改正個人情報保護法が施行され、2021年に個人情報保護委員会が「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン」を更新しました。

詳しくは、こちらをご覧ください。
個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン に関するQ&A |個人情報保護委員会 (ppc.go.jp)

採用活動にあたって、これだけは採用担当者に知っておいてほしい点をまとめました。

採用で個人情報を取り扱う場合 同意書は必要か?

①採用活動をはじめるにあたって本人から直接取得した個人情報(履歴書・エントリーシート・職務経歴書)や採用時に取得した個人情報(面接時の評価シート・適性検査結果や筆記試験結果等)は、あらかじめ利用目的を応募者に明示します。

明示する際は以下の文例を参考にしてください

例:記載いただいた個人情報や採用活動中に取得した個人情報は、採用の採否の決定や採用後の教育及び配属先の決定等の人事資料に利用します。不採用者の取得した個人情報は、採否の決定後、破棄・削除いたします。

②本人からの同意を得る
個人情報を取得することに対してできるだけ同意を得ましょう。

後々のトラブルを回避するうえで同意書をもらっておくことを勧めます。同意書を他の履歴書等の書類と一緒に送付して記入して送りなおしてもらうか、面接時に回収しましょう。

同意書を得る企業は増えています

個人情報の保管が重要な理由

個人情報の保管は応募者とのトラブルを防止するのに役立ちます

特にエントリーシートや履歴書は経歴詐称などの問題が発覚した場合に重要な証拠になります。

応募者や採用者の主張が事実と食い違っていることを、エントリーシートや履歴書の記載内容から証明できます。

また、選考時に収集した面接評価シートや筆記試験の結果、適性検査結果などは入社後の配属など人事・労務管理のために必要となる場合も想定されます。

加えて、個人情報保護法では本人の同意を得ずに、当初の目的以外に利用してはならないと明記されています(個人情報保護法第15、16条)。

そのため、コンプライアンス面でも採用で収集した個人情報が採用関係以外に使用されないよう、厳格な保管が重要になってきます

採用で得られた個人情報の保管期間は?

採用で取得した個人情報の保管期間は採用者と不採用者で異なります

採用者は雇用関係が消滅してから3年です。

雇用関係消滅後3年の保管期間を過ぎた個人情報は、本人へ返却しても良いことになっていますが、かならず返却しなければならない、というわけではありません。

退職から3年経過して必要な個人情報は退職時の連絡先など限られています。

保管期間が経過したら、連絡先等は厳重に管理してほかの個人情報については処分します。

保管期間が経過した個人情報は紙の場合は確実にシュレッダー等で処分し、電子データは履歴が残らないように完全に削除してください。

不採用の場合個人情報は削除してもかまわない?

不採用者については保管期間は定められていません

しかし選考後に不採用者からの問い合わせ等がくることがあり得ますので、3か月から半年くらいは保管しておいたほうが無難です。

保管期間が経過した個人情報は紙は確実にシュレッダー等で処分し、電子データは履歴が残らないように完全に削除してください。

採用で得られた個人情報 まとめ

1 エントリーシートや履歴書など個人が特定できるものは全て個人情報

2 個人情報の利用目的を明示、できるだけ同意書を得る

3 採用者と不採用者で個人情報の保管期間は異なる

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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この記事を書いた人

社労士資格をもつ大手企業人事部管理職・工藤です。10年以上新卒採用と中途採用を担当した経験から採用のお手伝いをします。

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