新卒採用や中途採用で応募者が集まらず母集団形成に頭を悩ませていませんか?
募集要項を定めて企業ホームページに採用コーナーを設け、大学のキャリアセンターに足を運んでみてもなかなか応募者が増えずに母集団がなかなか形成できない。
では何が足りないのか、それは「Twitter」や「Instagram」「TikTok」といったSNSを活用するという視点かもしれません。
就活生の感覚では企業ホームページや大学のキャリアセンターなどから得られる情報はいわば「公式発表」でどこか親しみを感じにくく企業の本当の姿ではないのでは、と受け止められるからです。
この記事では採用活動でSNSをどう活用したらいいのか、それぞれの特性を踏まえて企業による成功事例を紹介しながら、明日からでも使えるSNS活用採用のノウハウを大手広告系会社で10年以上新卒採用と中途採用を担当している社会保険労務士資格を持つ現役人事部管理職が解説します。
新卒採用ではSNS活用はもはや必須!
採用の現場ではSNSの活用の重要度は上がっていて、特に新卒の場合は必須といっても過言ではありません。
新卒世代の行動様式として、「公式な情報よりも、知人や友人の口コミのほうが信頼できる」という特徴が顕著になりつつあります。
たとえば、20代前半では観光地でランチを食べる場所を探すときは、Googleで検索するよりもTwitterやInstagramで調べてみて決める人の割合が高いといわれていて、実際20代から30代では90%がInstagramで検索をやっているというデータもあります。
何かの情報が必要なとき、Googleで検索するよりもSNSで調べてみることが若者世代を中心に定着していて、「情報検索=Google」ではなく、「情報検索=Instagram、Twitter>Google」になりつつあります。
この動きは就職活動においても同様です。
企業側からの採用情報はどうしても「いい情報」になってしまいます。
活躍している若手社員を紹介して、「楽しい仕事」「若手が輝ける職場」「成長できる企業」というイメージを描いてもらえるような情報発信になってしまいます。
そうなるとどうしても「作り上げられた」感は拭えません。
就活生は企業からの公式情報だけでなく「本当の姿」を知りたくなるものです。
SNSであれば、もっと自分が知りたい「本当の姿」を確認できるのではないか、という期待をもって公式HPではなくSNSの中で発信や情報をチェックしているのです。
SNSを活用とした採用活動は「ソーシャルリクルーティング」といわれ、採用活動のなかで欠かせない要素となっています。
Twitterって本当にすごい
就活でめっちゃ悩んでるときに目指してる職種で働いてるフォロワーさんにガチの相談乗ってもらったり、初対面で家に泊まりにくるくらい仲良くなれる人に出会えたり本当〜〜〜にすごいなって今清麿描きながら思った— 花暦こわい🥩1/29閃華 ケ7a (@niku_party_) January 19, 2023
採用で活用されるSNSごとに特性をチェック
SNSは様々な種類があります。
大きくわけて文章が中心のテキスト系としてFacebook、Twitter、画像・動画系としてInstagramやYouTube、Tiktokなどです。
発信するコンテンツが動画中心で、採用ターゲットの親和性が高いのが動画コンテンツであれば動画系を使い、コンテンツの中心は文章でテキスト系SNSのほうが親和性が高ければテキスト系と使い分けることが大切です。
発信したい内容にあったSNSを選びましょう
SNS活用①SNS界の「老舗」Facebook
Facebookは、長く日本でビジネス用途・プライベート用途の両方で使われてきたSNSです。
ユーザは30代〜50代が中心で新卒採用世代はほとんど使っていません。
また中途採用のコアターゲットである20代後半から30代前半でも利用者は少ないです。
一方でリアルの知り合いをつなぐことに優位性があるため「リファラル採用」では効果を発揮するSNSであるといえます。
SNS活用②日本国内影響力ナンバー1Twitter
イーロン・マスク氏が経営者となり大規模なリストラで混乱が伝えられているTwitter社ですが、Twitterは、速報性が高くリアルタイムでの発信に強みがあります。
日本国内において非常にユーザが多いため、ユーザー数が多いという意味で影響力がナンバー1ともいえます。
ベンチャー企業などではTwitterを採用に積極的に活用する企業が増えており、「Twitter採用」という言葉もうまれています。
一方でTwitterは匿名性が高いSNSであることに注意が必要です。
匿名性が高いので、アカウントの持ち主が実際にはどのような人物なのかがわかりにくくなっています。
広く情報発信には有効ではあるけど発信元の信用性は疑問符がつくので、Twitter上の情報をどこまで信じるか、またTwitterで情報を発信する場合、どうすれば信頼感を抱いてもらえるか、注意が必要です。
また、もう一点留意すべきは、Twitterにはどうしても炎上リスクが発生するということです。
ビジネスで普通に活用しようとしているだけなのに、思わぬところで炎上に巻き込まれてしまうこともあります。
発信内容には炎上リスクが常にあることを念頭にいれて運用していくことが重要です。
SNS活用③視覚的に訴えるならInstagram
Instagramのユーザーは増加しており、月間のアクティブユーザーは3300万人以上、年代別でも10代、20代の6割以上が利用しています。
さらに30代でも50%が使っていて採用ターゲットとして新卒はもとより、中途採用にも効果的です。
Instagramは他の主要SNSと比べて視覚的なアピールに特化しています。
このためテキスト形式メディアと併用して、動画や画像を中心に会社の行事や職場の雰囲気や空気感を伝えることに効果を発揮します。
また拡散効果もあるので、動画や写真を広く伝えることにも効果があります。
SNS活用④長い動画でしっかり伝えるYouTube
1分を超える動画で伝えたい場合はYouTubeです。
Instagramも動画で伝えることができますが、1分以内動画しか投稿できません。
拡散効果はないのですが、ほかのSNSと併用して集客して公式YouTubeチャンネルで興味をもってくれた人にじっくり視聴してもらう、という使い方が適しています。
SNS活用採用の成功事例
ここでは、実際にSNSを活用して採用活動をしている事例を紹介します。
Facebookの特性である知り合いへの広がりを活かしてリファラル採用に効果を発揮しています。
1.トランスコスモス株式会社
企業の公式アカウントにて、リファラル採用の導入を発表。
社員に対して友人・知人の紹介を促すと同時に、5,000人以上のフォロワーや転職潜在層へリーチできています。
引用 https://www.facebook.com/transcosmos/posts/4268390146540853
Twitterならではの「リアルタイム性」を上手く活用し、SNS採用で効果的な事例を3つ紹介します。
1.株式会社ディー・エヌ・エー
Twitter利用率の高い、就活生をターゲットにした発信。
「インターン」や「エントリー」などのキーワードからタイムリーな情報を検索する学生が多いため、上記のような発信は母集団形成において有効といえるでしょう。
\23卒向けサマーインターン エントリー受付開始/
23卒の方を対象としたサマーインターンシップのサイトがオープンしました🎉
本日より一部コースのエントリー受付を開始します。▼詳細はこちらからhttps://t.co/3VsGM6Nk98
あなたの挑戦をお待ちしております!
— DeNA新卒採用 (@DeNA_shinsotsu) March 19, 2021
2.株式会社セルタン
「中の人」「Twitterキャラクター」を作成して運用を行い、多くのファンを獲得しているアカウントです。
採用アカウントですがコンテンツとして魅力があるので、多くの就活生の注目を集めています。
企業としての知名度が特別高くない場合は、コンテンツの魅力を高めることが大切です。
皆様、日頃より当アカウントをご愛顧頂きまして本当に有難うございます。
唐突ではありますが、わたくし【㈱セルタン採用チーム】中の人は12月27日をもちまして引退することとなりました。
2年弱という短い期間ではありましたが、皆様との楽しい思い出がいっぱいで本当に感謝しております。。 pic.twitter.com/WZYABpTkeU— ㈱セルタン採用チーム (@cellutane01) December 26, 2018
3.キー・ポイント株式会社
質問箱を活用して個別に丁寧に回答しています。
就活生との距離感の近さと個人対個人の関係性が好印象を与えています。
学生さん、ご活用ください⭐︎
福利厚生⬇️
①https://t.co/l6isekEdmm
②https://t.co/uSW65Hesum
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— キー・ポイント株式会社【新卒採用】 (@keyp_recruit) June 10, 2022
動画や写真で視覚的に訴えるInstagramの特性を生かした事例を2つ紹介します。
1.JALスカイ 働く人をコンテンツの中心にしていて会社の雰囲気と航空業界の華やかさがビジュアル的に伝わりやすくなっています。
引用.JALスカイ
2.全研本社 社員紹介や会社の日常を発信しながら、女性社員による産休や育休取得の体験談など、就活生に有益な情報を発信しています。
引用.全研本社
長尺動画投稿に適したYouTubeを活用した事例です。
1.三朋企業株式会社
映画の予告編のようなインパクトのある動画をつくって公開し閲覧数を5倍に増やすことに成功しました。
かなり手がかかった動画ですがそれだけの効果が得られています
採用アカウントは就活生に調べられている前提で発信
SNSのアカウントは採用専用に持っていたほうがいいでしょう。
一般の企業広報用アカウントとは別に就活生や転職希望者にターゲットを絞った発信が必要だからです。
一方で就活生や転職希望者は採用アカウントをフォローすることで企業や採用担当者が求めている人物や企業の社風を知ろうとしているので、就活生に発信をチェックされて調べらている前提で考える必要があります。
情報を発信しているのと同時に情報が収集されているという目線が必要になりますので、採用アカウントを開設し多くの就活生や転職希望者にフォローされるコンテンツを発信しましょう。
採用アカウントはどこまで調べられているか
SNSで情報を発信していくと、それだけ就活生や転職希望者の目に留まるようになります。
就活生や転職希望者は興味のある企業のSNSをチェックするようになります。
私は毎年新入社員に企業の採用アカウントはどれくらいチェックしていたかを確認しています。
ある新入社員は「まずは興味ある会社のSNSはフォローします。発信がない会社は忘れていってしまいますが発信が積極的で面白い会社の印象は残っていきます」と答えています。
発信頻度によって印象は変わっていくので積極的な発信が大切です。
またSNSはちょっとしたことで炎上してしまうリスクがありますので、思わぬところで炎上しないためにも常に見られているという緊張感をもって発信しましょう。
新卒採用のカギはSNS活用!成功事例徹底解説 まとめ
1 就活生は企業ホームページなどよりもSNS情報に親和性を感じる
2 SNSの特性を理解して使い分けることが重要
3 SNS採用は手間がかかるが効果も絶大
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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