就活で必ず書くものはエントリーシート(ES)です。
ほとんどの企業はエントリーシートをもとに書類選考をしますので、エントリーシートの出来が次の選考に進めるかのカギになってきます。
多くの学生は先輩や大学のキャリアセンターのスタッフなどにエントリーシートの書き方を習い、添削してもらったりしていると思います。
エントリーシート記入にあたってはこうした学習で基礎的なことを学ぶ必要があります。
しかし、キャリアセンターやゼミの先輩などにエントリーシートを添削してもらっても書類選考をなかなか通過しないことってありませんか?
それは、就活生が陥りがちなエントリーシートの書き方の誤解があるからです。
この記事では、こうした「誤解」を解き書類選考を突破し面接でも役立つエントリーシートの書き方を10年以上新卒採用と中途採用を担当し,エントリーシートの採点をしている社会保険労務士資格を持つ大手企業の人事部管理職が解説します。
就活では避けられないエントリーシート(ES)とは
エントリーシート(ES)は端的に表すと「応募書類・申込書」で、採用に応募する際に提出する各企業が定めた必要事項を記入して提出する書類で、学生から企業への志望の思いを伝えるラブレターのようなものです。
最近はほとんどがWEBエントリーですが、以前は手書きが主流でした。
手書きだと「就活生が書く文字から人柄も読み取れる」といまだに一定の支持はあります。
WEBエントリーシートは文字から伝わる情報は少ないですが、読みやすくデータ管理もしやすいため、よほど手書き文字にこだわる企業以外はWEBエントリーシートになっています。
いまだに手書きのESを求める企業は保守的な企業かもしれません
就活で必須のエントリーシートの記載事項 学歴はどこから書く
顔写真、名前、住所、学校名、学歴、連絡先などの基本事項のほかに就活ならではの記載事項があります。
「あなたらしい写真とその写真を選んだ理由」
「学生時代に力を入れたこと(ガクチカ)」
「これまでに成し遂げたこと」
「学校での研究内容」
「仕事をするうえで大切に考えること」
「あなたが考える当社の強みと弱み」
あとは業界に特化した記載事項もあります。
自動車メーカーであれば「ガソリン車はEVに淘汰されるのか?」
金融系では「店舗営業がなくなった場合のメリットとデメリット」
広告業界であれば「@@にキャッチコピーを13文字以内で」
食品メーカーであれば「大豆肉をおいしく食べる方法」
などなど、業界ごとの特性に応じた記載事項も見られます。
学歴は高校入学からが基本です。
なぜなら大学名は推薦やAO入試などで必ずしも基礎学力と結びつかなくなっており、高校であれば地頭がでやすいと考えられているからです。
面接官は出身高校を重視しています
エントリーシートの肝は志望動機 コピペはバレる確率高い
エントリーシートで最も大事なのは「志望動機」です。
応募数が多い企業の中では「志望動機」しか読まないで採点する企業もあります。
全身全霊を込めて書いてください。
「社会に貢献したい」とか「夢を届けたい」など聞こえはいいけど、何をしたいのか伝わらない動機は評価されません。
具体的な実体験に基づく志望動機が必要です。
すぐ使える エントリーシートの志望動機 例文
「志望動機」は履歴書の中でも重要な項目です。抽象的な書き方ではなく具体的に書くのがポイントです。
- 志望企業の特徴や長所を踏まえた志望動機に
- 志望企業へどのように貢献できるのかを書く
- 経験や資格、スキルがどのように活かせるのかを書く
私はこれまで広告会社のデジタル広告プランナーとして国内外クライアント様の最適なデジタル広告をプランニングして提案してきました。この度御社の宣伝部の募集に志望させていただくにあたって、御社の若年層がメインターゲットとして今年積極的に広告展開している@商品について、もっとターゲット層にリーチするデジタル広告企画で貢献できると考え志望させていただきました。これまではクライアント様の外からの提案でしたが、企業内でデジタル広告の経験がある宣伝部員がいることで、企業ニーズをダイレクトに落とし込んだデジタル広告企画を提案することで、広告会社ともっと建設的な企画の立案ができると考えています。
エントリーシートと履歴書の違い
近年、エントリーシートに履歴書の記載事項を含めて一本化している企業が増えています。
しかしエントリーシートに加え履歴書の提出も求める企業もあるので、それぞれ定義します。
〇エントリーシート
「人柄や個性をアピールする書類」
フォーマットは企業ごとに異なり、写真や絵、イラストなどを書く場合もあります。
学生時代に力を入れたこと、自己PR、会社に入ってからやりたいことなど、その人の「人となり」をアピールします。
このエントリーシートに記載された内容をもとに書類選考や面接が行われるため、自己分析をして「就活の軸」を定めて、企業研究や業界研究を入念に行った上で記載する必要があります。
しっかりアピールできると面接での話題が定まりやすくなり、あなたが伝えたいことが伝えられる面接になります。
〇履歴書
「個人情報や経歴・学歴、スキルを伝える書類」
履歴書はいわば就活生の「スペック表」です。
履歴書は基本的に、JIS(日本工業規格)規格に基づいて販売されており、どのメーカーの履歴書を選んでも記載する内容はほとんど変わりません。
企業によっては「大学指定の履歴書」を求めることもあります。
履歴書の書き方①「基本情報」
基本情報で気を付けて欲しいのは証明写真と電話番号とメールアドレスです。
- 証明写真
証明写真は、縦36mm~40mm・横24mm~30mmで3カ月以内に撮影したカラー写真を使用してください。 - 電話番号
日中に連絡が取れやすい電話番号で固定電話がなければ、携帯電話のみで問題ありません。 - メールアドレス
企業側からの連絡がくることが予想され、データなどが送られてくる可能性もあります。
個人で取得したフリーアドレスが望ましいですが、迷惑メールへ振り分けられないよう、メール受信設定には注意してください。現職の会社のメールアドレスを記載すれば、公私混同と見られ社会人としての常識を疑われるため避けましょう。
スナップ写真はNG
履歴書の書き方②「学歴」「職歴」
学歴や職歴を記入する場合のポイントは高校入学以降の経歴を西暦か元号のどちらかで揃えて記入します。
- 学歴
高校入学から学校名、学部、学科、専攻、コースは省略しないで正式名で記入 - 学校名が変更した場合は、変更した後の現在の高校名も併記【××高等学校(現○○高等学校)】
病気などで休学期間がある場合は就業に問題なければ併記します。就業に配慮が必要な場合は本人希望欄に記入します。 - 職歴は省略せず正式名で記入
- 異動や昇進も記入
欄が足りない場合は職務経歴書で詳細に記入します。
履歴書の書き方③「免許」「資格」は自己PRのチャンス
免許と資格は全て書くのではなくアピールできる免許と資格を書きます。
- 書くべき資格は「国家資格」「運転免許」「パソコンスキル」等
- 取得が容易な資格は書かない
英検4級、3級、漢検3級など、TOEICは志望する企業が求める点数に大きく及ばない場合は書かない - 業務への関連性が薄い資格は書かない
- 業務に関連があったり、難関資格で取得にむけて勉強中の場合は記入する
資格取得にむけて勉強していることはアピールポイント
履歴書の書き方④「趣味」「特技」
「趣味」「特技」欄は応募者の人柄や性格を読み解く情報になりますので空欄はNGです。
- 著しく好みが分かれそうな「趣味」や「特技」は書かないほうが無難
- 仕事につながりそうな「趣味」や「特技」はアピールポイントに
エントリーシート(ES)の通過する書き方
毎年1000枚以上のエントリーシートを10年以上読み続けてくると、通過するエントリーシートの共通点と不通過となるエントリーシートの共通点が見えてきます。
採用担当として長年の実務から学んだ、NGなエントリーシートの特徴と通過するエントリーシートの書き方を解説します。
エントリーシート(ES)はコピペ厳禁 陥りがちな「誤解」
不通過となるエントリーシートにはある「パターン」があります。
こうした「パターン」が感じられると、エントリーシートの評価はなかなかプラスには転じないです。
なぜなら「パターン」があるエントリーシートを読むと、就活のノウハウをそのままコピペしているなと感じられ、会社に採用されるための労力を惜しんでいると判断されてしまうからです。
特に応募者が多い企業の場合や書類選考の倍率が高い企業はこうした「パターン」があると、その場でエントリーシートを読むのがストップし書類選考は不通過となってしまいます。
「パターン」はネットでの就活記事や就活サービスでの見本などから転用していると思われ、一見文章は上手でスムースに読めるのですが、読後に書いた人の人柄が想像できないことが多いです。
内定をとった人のエントリーシートをコピペすれば高評価のエントリーシートになる、と考える就活生は多いと思いますが、これは大きな誤解です。
なぜなら、内定した人のエントリーシートはその人の実経験に基づくエントリーシートなので説得力があるのであり、コピーした人の実経験ではないからです。
参考にしながらも、オリジナルのエントリーシートにしましょう。
まず、エントリーシート記入でノウハウからのコピペは厳禁です。
文章構成をコピペしてもばれてしまいますよ
NGエントリーシート(ES)の共通点
〇ルールを守らない
締め切り日を守る、写真のサイズや向きを規定に合わせる、文字数制限を厳守する、記入事項で空欄をつくらない、などなど基本事項を守っていない
〇誤字・脱字が多い、誤変換がそのまま
〇結論がない
学生時代のエピソードを長々と書いていますが、結論が「こうした経験を活かして御社で活躍したい」となっていて、結論が薄弱になっています。
具体的にどの経験が入社後のどのような場面で、どのように活かしたいのか、そこまで書かないと伝わらないです。まず結論を書いて、そのあとから結論に至った理由を書くと読みやすく好感度が高まります。
〇最大公約数的な内容で人柄が見えない
エントリーシートでふるい落とされないために、失点を防ぎたい気持ちからか明確な結論を書かず、どこにでもあるような内容に終始すると、人物像が想像できないので採点に悩みます。
運よく書類選考は通過するかもしれませんが、面接でよほど個性が爆発しないと次のステップに進むのは難しいです。
通過するエントリーシート(ES)はリアルな実体験を書く
どのような設問への答えでも、実体験をもとに書く必要があります。
実体験をもとに、主語が明確で主観的な文章を書きましょう。
担当者に響くエントリーシート(ES)の志望動機記入例
「幸せの真ん中は食卓」
私が貴社を志望した理由は「食を通じて生活を豊かにする」という貴社の理念が私が仕事で実現したい夢と同じ方向性にあると考えたからです。私の家族は祖父母、父母、兄弟姉妹が4人という賑やかな大家族でした。海外旅行に行ったこともなく裕福な家庭ではありませんでしたが、いつも家には笑顔が溢れていました。その笑顔の中心は家族みんなで囲む食卓でした。家族みんなで母と祖母が作ってくれた大皿の料理を食べ、父と祖父は少しお酒を飲み、たわいのない話題でしたが、私や兄弟の話に耳を傾けてくれ時には父が話す定番となっている「オヤジギャグ」に笑う。私の家族の幸せの中心が「食」だったのです。私が幸せを感じた「食」はきっと多くの人の暮らしの中に「笑顔」と「幸せ」を運んでくれる、そう感じて貴社が掲げる「食を通じて生活を豊かにする」という理念が私が働く上での軸と一致すると考え貴社を志望させていただきました。
就活で必須のエントリーシート(ES) まとめ
1 エントリーシートはノウハウからのコピペ厳禁
2 エントリーシートは企業へのラブレター、徹底的に自己アピール
3 実体験に基づくリアルな文章を書く
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