「就活の軸」と「企業選びの軸」の作り方と診断方法

就活をしていると「就活の軸」と「企業選びの軸」いう言葉を聞いたことはありませんか?

「就活」「企業選び」と「軸」という言葉を組み合わせていて、それぞれは簡単な言葉ではありますが、抽象的で何を意味するのかもよくわからないまま、なんとなくわかった気持ちになって就活に臨んでいる方も多いのではないかと思います。

就活の軸」とは就活をするうえで役立つだけでなく、普段生活するうえでより自分らしく生きるための指標にもなります。

企業選びの軸」とは「就活の軸」をもとにエントリーする企業を選ぶ基本方針のようなものです。

就活の軸」と「企業選びの軸」について、10年以上新卒採用と中途採用を担当している社会保険労務士資格を持つ大手企業の人事部管理職が初歩から解説します

目次

「就活の軸」と「企業選びの軸」は就活の基本方針

就活の軸」とは就職活動をするにあたって、会社や仕事内容を選ぶ際の基準になるものです。

就活にあたって、社会人になってどんな仕事をしたいのか、社会人として生きていくうえでどんな働き方をしたいのか、仕事とプライベートをどのようにバランスをとるのか、をきちんと整理しておく必要があります。

こうした仕事選びだけでなく、生活と仕事のバランスについても判断基準となるのが「就活の軸なのです。

就活の軸」が定まると企業選びの軸」も定めやすくなります。

就活の軸」が決まると企業を選ぶ基準がみえてきます。

たとえば「就活の軸」が「成長」だとすれば早くから裁量を与えられやすい「ベンチャー企業」などが「企業選びの軸」となってきます。

なので「就活の軸」を定めて「企業選びの軸」が決まると、就活で迷走することなく自分がなりたい姿に近づいていくことができます。

また「就活の軸」は就活を続けていくと変化することもあるので、企業研究や業界研究をすすめていくなかで、

修正していくことも大切です。

就活の軸」には2種類あります。

「自分基準」と「自分以外基準」です。

「自分基準」とは、“こういう人になりたい”、“キャリアをこう築きたい”、“仕事と生活をこう調和させていきたい”、というもので仕事を介しての自分の未来像ともいえます。

一方、「自分以外基準」とは、“大企業である”、“海外で勤務できる”のような就業条件での基準です。

採用の担当者として毎年1,000通以上のエントリーシートを読み、300人ほどの就活生を面接している経験から「自分以外基準」例えば「大企業でないとダメ」「業界トップ企業に入りたい」などを重視する就活生が増えてきていると感じています。

「自分基準」「自分以外基準」と二種類の「就活の軸」があることを理解してください。

どちらも大事な軸なのですが、両者が拮抗して迷う場面もあります。

どちらをとるかは自分次第です。

人事担当者として多くの新入社員のキャリア相談を受けてきた経験では、「自分以外基準」を最後の基準にした人のほうが、ミスマッチに直面する事が多いように感じます。

なぜなら「自分以外基準」は自分以外の要因で変化するからです。

大企業と思って入社したけど、業績が低迷してしまうこともあります。

業界でのシェア1位の座は奪われてしまうこともあります。

一方「自分基準」はいわば心の声です。

自分の中の根源的な充実感や幸せを感じるポイントでもあるので「自分基準」は何なのかをしっかり自問自答してみてください。

就活の軸の主語は「私」ですよ

「就活の軸」「企業選びの軸」の作り方、簡単な診断方法

自分はどうなりたいか」明確に言葉や文章にできる就活生は少ないです。

就活の軸」が定まらないなか、就活に突入してしまうケースがほとんどかもしれません。

最初に紹介するのは簡単でわかりやすい方法です。

「就活の軸」「企業選びの軸」の作り方 「好き・嫌い」方法

複数の企業一覧を見て「好き、嫌い」で分けていきます。

選ぶのにあまり長い時間をかけずに、直感的に選んでください。

就活イベントの参加企業一覧などをみて片っ端から分類します。

そうするとあなたが興味のある企業や好きな企業のグループができます。

その企業グループに共通することを探し出してください。

「大手企業」「転勤が少ない」「福利厚生がしっかりしている」「待遇がいい」「成果連動型の給与」

「風通しが良さそう」「離職率が低い」・・等々どのような共通事項でもいいです。

その共通事項があなたが大切に考える「就活の軸なのです。

「就活の軸」「企業選びの軸」の作り方 「将来の自分から逆算」法

自分が望む将来像が描けている人はそこから逆算して考える事で、就職先に求める条件がいくつか浮かんでくきます。

それが、就活の軸となります。

例えば、将来起業した自分を思い描く人は、就職先に求める条件として、「若いうちから裁量を持って働ける」「新規事業にチャレンジできる」「過去に起業家を多数排出している」「社内ベンチャー制度がある」などが挙げられるでしょう。

このように、自分が望む「将来の自分」から逆算して就活の軸」と「企業選びの軸」を作る方法です。

「就活の軸」「企業選びの軸」の作り方「好きなこと」法

就活の軸」だけでなく、就活全般に重要なことはじっくりと自己分析をする事です。

過去の体験や経験を振り返り、「自分が楽しいと感じた時はどんな時だったか?」や「成果を出せたのはどういう人と一緒にいる時だったかな?」などを考えて実際に文字にしてみましょう。

それらの共通項が、あなたの中で大切にしている価値観であったりあなたが得意な状況、さらにはあなたが生きる上で大切にしていることになります。

あなたが生きる上で大切にしていることが「就活の軸」「企業選びの軸」として企業や業界を見る際の判断材料になります。

「就活の軸」「企業選びの軸」例文一覧

就活の軸」が思いつかない人や、どのように言語化すれば良いか分からない人は、以下を参考にしてみてください。

ただ、このままコピペするのはNGです。

なぜなら、採用担当者は多くのエントリーシートを読み込むのでコピペした文章はすぐにわかります

「このESはコピペしているな」と感じるとマイナス評価に直結します。

以下の例文を自分の中に落とし込んでから自分の言葉で表現しましょう。

  • 人と関わる仕事に就きたい
  • 転勤なく腰を据えて仕事がしたい
  • モノづくりが好きだ
  • 専門知識や資格を活かしたい
  • 実力主義の会社で成長していきたい
  • 好きな分野の仕事がしたい
  • 人に寄り添える仕事がしたい
  • 海外で仕事をしてグローバルに活躍したい
  • 自由に意見がいえる風通しのよい職場で働きたい
  • ワークライフバランスを大切にしたい
  • 新事業に積極的にかかわりたい
  • 社会を支える仕事がしたい
  • お客さまの笑顔を見られる現場で働きたい

「就活の軸」と「企業選びの軸」は面接やエントリーシート記入に役立つ

就活の軸」「企業選びの軸」は、面接やエントリーシート記入で役立つことがあります。

企業側は「なぜうちの会社を選んだのか?」明確な理由を持っている学生なのか、持っているのであれば

その理由は何かを聞きたいからです。

エントリーシートへの記入を求める場合でも志望理由が何なのかを知りたいからで、書類選考を通過すればさらに深掘りの質問につながることもあります。

エントリーシートの記入や面接を前に、自分の価値観を整理し言語化できていれば面接でうろたえることもなくなります

エントリーシートに「就活の軸」をもとにした「企業選びの軸」を書き、面接で深掘り質問がくるようにすれば、アピールは満点となります。

「企業選びの軸」エントリーシート(ES)の記入例

企業選びの軸」をエントリーシートに記入する例文を紹介します。

分かりやすい例文にしていますので、これを参考にしてオリジナル文章にしてください。

重ね重ねですがコピペ厳禁です

コピペは採用担当者にすぐに見抜かれます。

例文を参考にして、自分独自の経験を盛り込んでオリジナルにしてください。

企業選びの軸「やりがい」 例文

私が御社を志望する理由は、御社でお客さまの笑顔をやりがいにできる仕事ができると考えるからです。

私は大学時代に、飲食店でアルバイトをしていました。

仕事はつらいこともあったのですが、お客様に笑顔に接すると苦しい思いも乗り越えることができました。

なぜなら仕事を通じてお客さまが見せた笑顔がやりがいになっていたからです。

そのため、お客さまの笑顔をやりがいに感じられる仕事に就きたいと考えています。

「企業選びの軸」「ものづくり」 例文

私が御社でかなえたい希望は、人の生活を豊かにできるものづくりをすることです。

私は学生のころに、地域活性化として限界集落でのイベント企画に参加しました。

イベントを企画することも楽しかったのですが、最もうれしかったのがイベントを通じて集落がにぎわいを取り戻したことです。

企画から手掛けたイベントで、寂しかった集落に賑わいが戻りわずかでも地域再生のきっかけになれたことに喜びを感じました。

その経験から、自分の仕事で何かを生み出したいと考えています。

「就活の軸」まとめ

1 「就活の軸」は自分との向き合いから、まずは「好き」か「嫌い」で企業を選ぶ

2 理想の自分の将来像から「就活の軸」を選ぶ方法も

3 「就活の軸」が定まれば「企業選びの軸」も決まりエントリーシートや面接で役立つ

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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この記事を書いた人

社労士資格をもつ大手企業人事部管理職・工藤です。10年以上新卒採用と中途採用を担当した経験から採用のお手伝いをします。

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