新卒採用や中途採用で活用できる助成金と補助金の一覧

採用で助成金や補助金を活用できないか、採用担当者としては気になる課題です。

コロナ禍で緊急助成金が多く設立され、コロナが一定の収束をへて整理されていますが、採用で活用できる助成金が増えました。

しかし、助成金の活用は手続きの煩雑さや要件の厳しさなどで二の足を踏んでしまいがちです。

この記事では、新卒採用や中途採用で活用できる助成金と補助金について、10年以上新卒採用と中途採用を担当している社会保険労務士資格を持つ大手企業の人事部管理職が解説します。

詳細な適用条件は厚生労働省のHPなどを確認してください。

目次

採用で活用できる助成金と補助金の一覧

厚生労働省は雇用に関する助成金を多数設けています。

その中でも採用で活用できる助成金について解説します。

採用で使える助成金・補助金

中途採用等支援助成金中途採用者の雇用管理制度を整備し、中途採用の拡大を図った場合に助成します。一定期間後に生産性が向上した場合には追加の助成があります。
中途採用等支援助成金(UIJターンコース)東京圏からの移住者を雇い入れた事業主に対し、その採用活動に要した経費の一部を助成します。
特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)高年齢者や障害者等の就職困難者をハローワーク等の紹介により、継続して雇用する労働者(雇用保険の一般被保険者)として雇い入れる事業主に対して助成されます。
特定求職者雇用開発助成金(生涯現役コース)雇入れ日の満年齢が65歳以上の離職者をハローワーク等の紹介により、一年以上継続して雇用することが確実な労働者(雇用保険の高年齢被保険者)として雇い入れる事業主に対して助成されます。
特定求職者雇用開発助成金(被災者雇用開発コース)平成23年5月2日以降、東日本大震災による被災離職者や被災地求職者を、ハローワーク等の紹介により、1週間の所定労働時間が20時間以上の労働者として雇い入れる事業主(1年以上継続して雇用することが確実な場合に限る。)に対して助成されます。
また、この助成金の対象者を10人以上雇い入れ、1年以上継続して雇用した場合には、助成金の上乗せが行われます。
特定求職者雇用開発助成金(発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース)発達障害者や難病患者をハローワーク等の紹介により、継続して雇用する労働者(一般被保険者)として雇い入れる事業主に対して助成されます。
事業主に雇い入れた方に対する配慮事項等についてご報告いただきます。
また、雇入れから約6か月後にハローワーク職員等が職場訪問を行います。
特定求職者雇用開発助成金(就職氷河期世代安定雇用実現コース)いわゆる就職氷河期に正規雇用の機会を逃したこと等により、十分なキャリア形成がなされず、正規雇用に就くことが困難な方をハローワーク等の紹介により、正規雇用労働者として雇い入れる事業主に対して助成されます。
特定求職者雇用開発助成金(生活保護受給者等雇用開発コース)ハローワークまたは地方公共団体において、通算して3ヶ月を超えて支援を受けている生活保護受給者や生活困窮者を、ハローワーク等の紹介により、継続して雇用する労働者(雇用保険の一般被保険者)として雇い入れる事業主に対して助成します。
地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)雇用機会が特に不足している地域(※1)の事業主が、事業所の設置・整備を行い、併せてその地域に居住する求職者等を雇い入れる場合、設置整備費用及び対象労働者の増加数に応じて助成されます。(1年毎に最大3回支給)
地域雇用開発助成金(沖縄若年者雇用促進コース)沖縄県内において、事業所の設置・整備に伴い、沖縄県内に居住する35歳未満の若年求職者を雇い入れる事業主に助成されます。

厚生労働省雇用関係助成金検索ツール

中途採用で利用しやすい「中途採用等支援助成金」要件と申請方法

この助成金は中途採用を雇入れるにあたって制度を整備して実際に雇入すれば助成金が得られます。

これから中途の人材を採用しようとする場合は利用しやすい助成金です。


受給するためには、1の対象労働者を雇い入れるとともに、2、3の全ての措置をとることが必要です。

1.支給対象者 
 次の(1)~(5)のいずれにも該当する方
 (1)申請事業主に、中途採用により雇い入れられた方
 (2)雇用保険の一般被保険者又は高年齢被保険者として雇い入れられた方
 (3)期間の定めのない労働者(パートタイム労働者を除きます)として雇い入れられた方
 (4)雇入れ日の前日から起算してその日以前1年間において、雇用関係、出向、派遣又は請負により申請事    業主の事業所において就労したことがない方
 (5)雇入れ日の前日から起算してその日以前1年間において、申請事業主との関係が資本的・経済的・組織的関連性等からみて独立性を認められない事業主に雇用されていた方でないこと

2.次の(1) 、(2)にかかる中途採用計画を作成し、管轄の労働局に届け出ること
 (1)中途採用者の雇用管理制度(募集・採用を除く、労働時間・休日、雇用契約期間、評価・処遇制度、福利厚生など)の整備
 (2)中途採用の拡大に取り組む期間(中途採用計画期間)(※)内の中途採用の拡大
 (※)中途採用率の拡大を図る場合は1年間、45歳以上の方の初採用に取り組むまたは情報公表・中途採用者数の拡大の場合は1年以下で申請事業主が定める期間

3.中途採用計画期間に、次の(1)、(2)または(3)の中途採用の拡大を図ること
 (1)中途採用計画期間より前の中途採用率が 60 %未満の事業所が、中途採用計画期間内に支給対象者を2人以上雇い入れ、中途採用率を中途採用計画期間前と比較して 20 ポイント以上向上させること。
 (2)中途採用計画期間より前に45歳以上の方を中途採用したことがない事業所が、中途採用計画期間内に45歳以上の方を初めて中途採用したこと。 
 (3)中途採用計画期間中、中途採用に係る定量及び定性情報を公表した事業所が中途採用計画期間内に支給対象者を10人以上(中小企業事業主は2人以上)雇い入れ、中途採用計画期間前と比較して上回っていること。

申請方法は以下の厚生労働省HPより申請書類をダウンロードして各都道府県の労働局に提出します。

厚生労働省中途採用等支援助成金サイト

中途採用で役立つ情報はこちら

トライアル採用で使える助成金・補助金

トライアル採用は、最初から無期雇用するにはハードルが高い人(1年を超えて就業していない・2年以内に2回以上離職と転職を繰り返す・55歳未満でハローワークで担当者による個別支援をうけている 等)を無期雇用を前提に一定期間試用雇用(トライアル)する場合に利用できます。

障害者トライアルコース・障害者短時間トライアルコースハローワークまたは民間の職業紹介事業者等の紹介により、就職が困難な障害者を一定期間雇用することにより、その適性や業務遂行可能性を見極め、求職者及び求人者の相互理解を促進すること等を通じて、障害者の早期就職の実現や雇用機会の創出を図ることを目的としています。
(一般・障害者・障害者短時間・新型コロナウイルス感染症対応、新型コロナウイルス感染症対応短時間・若年・女性建設労働者 各コースあり)

厚生労働省のHP

新卒採用で利用できる助成金「ユースエール認定企業」のメリット

新卒採用で利用可能な助成制度は厚生労働省の「ユースエール認定制度」です。

ユースエール認定制度は若者の採用・育成に積極的で、若者の雇用管理の状況などが優良な中小企業を若者雇用促進法に基づき厚生労働大臣が「ユースエール認定企業」として認定しています。
認定した企業に対して情報発信を後押しすることなどによって、企業が求める人材の円滑な採用を支援し、求職中の若者とのマッチング向上を図ります。

ユースエール認定企業になると、以下の採用関係助成金を受給する場合に一定の加算が得られます。

①キャリアアップ助成金  最大で12万円加算されます

②人材開発支援助成金(旧キャリア形成促進助成金) 経費の助成率が15%加算されます

③トライアル雇用助成金  助成額が1万円加算されます

④特定求職者雇用開発助成金(三年以内既卒者等採用定着コース) 助成額が10万円加算されます

新卒採用で便利な情報はこちら

ユースエール認定企業制度は若手人材確保に有効です!

ユースエール認定企業のデメリット

ユースエール認定企業となるには12の厳しい基準を満たす必要があります。

しかも一度認定されてからも毎年12の基準を満たしてるか報告義務があり、基準を満たしていない場合は認定が取り消される場合もあります。

このため企業側は厳しい基準を継続して満たし続けなければなりません。

一方、ユースエール認定企業になると「ホワイト企業」として厚生労働大臣のお墨付きを得たことになるので、

若手人材に採用には強い追い風となることが期待できます。

ユースエール認定企業認定を維持するのは大変ですが、それだけ厳しい基準を満たした企業として信頼されます

採用で使える助成金 まとめ

1 「中途採用等支援助成金」は利用しやすい

2 コロナ禍で各助成制度な利用対象や期間などを拡大

3 新卒採用では「ユースエール認定制度」が検討の価値あり

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この記事を書いた人

社労士資格をもつ大手企業人事部管理職・工藤です。10年以上新卒採用と中途採用を担当した経験から採用のお手伝いをします。

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