新卒採用の歩留まりを上げる方法と面接設定率の決め方

採用担当者の頭を悩ませることに「歩留まり」があります。

次のステップに何人来るのかを予測して「歩留まり」を決めて、面接のキャパシティをもとに通過者を出してもなかなか予想通りにはなりません。

歩留まりが高すぎると次のステップの会場や面接のキャパシティを超え、会場の変更や面接官と面接日程を増やすなどの変更が必要になります

一方歩留まりが低すぎると面接会場が閑散とし、「大量の辞退者がでた」と思われ、就活生の志望度を下げてしまいます

この記事では採用歴10年以上の経験から得られた歩留まりを上げる方法と、面接の設定率の設定方法を社会保険労務士資格を持つ大手企業の人事部管理職が解説します。

目次

新卒採用の歩留まりとは?

採用での歩留まりとは、面接などを通過した人の中から次のステップに進んだ人の割合です。

例えば、一次面接通過者が50人のうち二次選考会場に来た人が25人であれば歩留まりは50%になります。

歩留まりが高いほど企業への就活生の志望度が高いといえます。

歩留まりが低いと高評価の就活生が次のステップに進んでくれない可能性が高まりますし、先述したように次の選考に進んでくれた学生への悪影響が出てしまいます。

採用の歩留まりを上げるには?各段階で分析が必要

採用から入社までには、説明会→エントリー→書類選考→一次選考→二次選考→最終選考→内定→入社と

様々なステップがあります。

各段階での歩留まり対策は異なりますので、各段階に応じての対応策をご紹介します。

採用の歩留まりを上げるには? ①登録者数から説明会参加者数を確保

例えば、登録者数に比べて説明会参加者が少ない場合は説明会の告知やエントリーへの誘導方法に改善の余地があります。

具体的な対策としては以下の対策があります。

  • 説明会の日程を学生の行事に合わせて設定。就職サイトなどの大規模イベント日は避ける
  • エントリー後の就活生をこまめにフォローしリマインドを定期的に送る
  • WEB開催の場合は、早めにURLを送り、前日にも再送する

説明会の参加者が増えることは採用母集団が増えることになり、優秀な人材確保の第一歩になります。

採用の歩留まりを上げるには? ②説明会参加者数からエントリー数を確保

説明会参加者数から実際のエントリーが少ない場合は説明会の内容に原因がありそうです。

具体的な対策は以下になります。

  • 説明会のテーマが学生の関心にあっているか?企業広報のような内容に終始していないか?
  • 説明会の参加した社員の発言内容を再確認、人選は適切だったか
  • 説明会の会場の雰囲気はフレンドリーで快適なものだったか?

採用の歩留まりを上げるには? ③エントリーから面接数確保 「面接設定率」

エントリーしてくれた就活生の中から書類選考を経て、一次面接を実施します。

一次面接は人数も多く手間もかかりますのでできるだけ面接参加者を絞り込みたいのが採用担当者のホンネだと思います。

絞り込んだ就活生は厳選した人たちなので、なんとか全員に面接に来てもらいたいですが、ここで歩留まりが低い場合は以下の対策が必要です。

  • 自社への志望度を上げてもらうために、会社紹介動画や活躍している社員のメッセージを発信
  • 面接日程を就活生の都合に合わせる、複数日、複数時間を用意して選択できるようにする
  • 発信している情報が就活生にリーチしているか確認、FBよりもインスタやツイッターが効果的
  • 面接実施日までリマインドメールを送る。ここで「お会いできるのを楽しみにしています」と一言添える

書類選考通過者の数に対して設定する面接の枠の割合が「面接設定率」になります。

面接設定率は企業の知名度、就活生の中での人気度、事前広報の浸透度、業界の特性やエリアの有効求人倍率など様々な要素で決まります。

基本は前年の実績がスタートラインです。

そこから、書類選考の応募者数によって加減します。

事前広報活動での手ごたえがよければ加算、広報活動が沈滞していたらマイナスです。

そしてエリアや社会事情に応じて加減します。

たとえば観光業が産業の中心の地域であれば、コロナ禍などで観光業が採用を見送り他業種への就活生が流れ込むことが予想される場合は、面接設定率は上方修正したほうがいいいです。

そして実際に面接に来てくれた人の数が「面接参加率」になります。

採用の歩留まりを上げるには? ④一次面接から二次面接 

一次面接を通過した就活生が二次面接に進むときに、選考を辞退したり面接会場に来ない場合があります。

この段階で歩留まりが下がる場合の原因は一次面接に原因がある場合が多いです。

  • 一次面接で圧迫面接などがなかったか
  • 面接で就活生の良さを引き出すような質問ができたか
  • 面接会場の雰囲気はフレンドリーだったか
  • 面接から結果通知まで1週間以上かかっていないか
  • 競合他社の選考スケジュールと重なっていないか

一次面接での就活生の満足度、納得度を高めると歩留まりは上がっていきます。

二次面接以降のステップでの歩留まりを上げるのも同じ対応になります。

採用の歩留まりを上げるには? ⑤内定から入社 採用率の向上へ

内定を出したにも関わらず、内定辞退などで入社に至らないケースです。

採用担当としては最もダメージを受けてしまいますね。

私の経験になりますが、エントリーシート段階から高評価で実際に面接をしても印象がよく、面接以外の説明会や雑談などでも会話が弾んで、少しは気心が通じたと思っていた就活生に内定辞退されたときはしばらく立ち直れませんでした。

就活生にとって自社を選んでもらうほどの魅力がなかった、ここにつきます。

なぜ、選んでもらえなかったのか、そこには明確な原因がありますので、分析をすることで歩留まりを上げることができます。

1 内定後のフォローが足りない 適度にコンタクトをとり最新の自社のトピックスを送ったり、若手のエー   ス社員との懇談の場を設けたりして、自社で働くイメージを持ってもらう

2 就活状況を聞いてフォローする。自社の利益ではなく内定者に親身になって対応することを心掛ける

3 内定者研修などを行い、内定者や入社後にケアをするメンターとの接点を設ける

4 最終選考から決定通知まで時間がかかりすぎていないか?時間がかかればそれだけ辞退率は高まります。

内定者のうち入社した人の割合が採用率になります。

採用の歩留まりを上げるには まとめ

  1. 採用の歩留まりを上げるには各段階での分析が必要
  2. まず説明会の参加者を増やし母集団の形成を図る
  3. 内定後は就活生の立場に寄り添ったケアを

最後まで読んでいただきありがとうございます。

よかったらシェアしてね!

この記事を書いた人

社労士資格をもつ大手企業人事部管理職・工藤です。10年以上新卒採用と中途採用を担当した経験から採用のお手伝いをします。

コメント

コメントする

目次
閉じる