中途採用での採用証明書の書き方　内定日との関係は？間に合わないときは？

「採用証明書」とは、失業中だった人の「再就職が決まったこと」を証明する書類です。

失業していていわゆる“失業保険”（雇用保険の基本手当）を受給していた人が、”失業保険”（基本手当）の支給を停止し、「再就職手当」を支給されるために必要な書類です。

雇用保険の給付に関係する大切な書類で、内定者の求めに応じて内定先の企業側が書くもので、必要な要件、提出期限は細かく定められています。

この記事では10年以上中途採用を担当している社会保険労務士資格を持つ大手企業の人事部管理職が採用証明書を記入する企業側の視点で、採用証明書の書き方、注意事項を解説します。

中途採用での採用証明の書き方と必要事項と支給番号

採用証明書は基本的に内定先の企業が記入する書類です。

通常は内定者が「採用証明書」用紙が提出され記入を依頼されたら、以下の記載事項について記入します。

明日は朝一で、ハローワークで初回認定日で、同時に再就職手当の申請書をもらいに行きます。今、初回認定に必要な書類書いて印鑑押しました。昼より内定した会社に行って、雇用契約書に印鑑押して、ハロワーク仕様の採用証明書に印鑑押してもらいます。再起動開始です。初出社は何時からか交渉です。

— よっちゃん (@yochyan4881) December 9, 2018

採用証明書の内定日と採用日とは

内定日は企業から内定をいただいた日になります。

採用証明書の提出期限は内定日から、入社日の前日までになります。

採用日は正式に雇用契約が始まった日で、ほとんどの場合は入社日になります。

ただし、注意が必要なのは例えば、4月入社で4月1日が日曜日の場合です。

雇用契約が始まるのは4月1日ですが、会社に出向くのは4月2日、入社式などの行事も4月2日に行われますが、採用証明書の考え方では採用日（入社日）は4月1日になります。

採用証明書はハローワークHPでダウンロードができる

採用証明書は内定者がハローワークから受け取る「受給資格者のしおり」に同封されています。

安心してください、紛失してしまった場合でも、ハローワークのホームページからダウンロード可能です。

一方で、採用証明書の書式・様式は下記の項目を満たしていれば、採用した企業が独自に作成したものでも良いとされています。

労働者の氏名
労働者の住所
雇入れ（採用）予定の年月日
事業所の名称・所在地・代表者名・印

ただし、採用証明書に必要な項目は自治体によって異なる可能性もあるので、企業が独自に採用証明書を発行する場合、所轄のハローワークに独自の書式が有効であるか、確認することをお勧めします。

採用証明書の支給番号は誰が書く？

採用証明書では支給番号の記入欄があります。

支給番号は雇用保険受給資格者証に記載されている番号のことを指します。

雇用保険受給資格者証は、失業した人がいわゆる”失業保険”（雇用保険の基本手当）の受給手続きをすすめると発行されます。

受給資格者証は内定した人（失業していた人）が持っているので、採用証明書の支給番号は内定者本人が記入します。

採用証明書はいつ書いてもらうのか？提出期限は入社日前日と伝える

中途採用の採用証明書の提出期限は原則として内定日から採用日（入社日）の前日までです。

事前に内定者に「採用証明書が必要であれば持ってきてください、ハローワークへの提出期限は採用日（入社日）の前日までですよ」と説明してあげると親切ですね。

採用証明書をいつ書いてもらうか、それはできるだけ早く内定先に提出し、ハローワークへの提出期限（入社日の前日）に間に合うように、入社日の１週間くらい前までに書いてもらうのがいいでしょう。

中途採用の採用証明書、提出期限に間に合わないときはどうする？

採用証明書のハローワークへの提出期間は原則として内定日から採用日（入社日）の前日までです。

しかし、内定してからすぐに働いてもらう場合もあり提出期限に間に合わないこともあります。

採用証明書　提出期限に間に合わないときの対処法　郵送も可能

内定した日から入社日まで日数がないときは、内定者にまずハローワークへの連絡をすすめてください。

内定者がいわゆる”失業保険”「雇用保険の基本手当」を受給している場合は、ハローワークから対応法が指示されます。

やむを得ず提出期限に間に合わない場合でも、ハローワークに連絡していれば、認めてもらえる可能性があります。

また入社日以降に採用証明書を提出するときは、新入社員がすでに働き始めているのでハローワークに出向くことは難しくなります。

ハローワークでは採用証明書の郵送を認めているところがほとんどですので、採用証明書の提出が期限に間に合いそうもないときは、郵送での提出を相談したほうがいいです。

採用証明書　派遣・パートの場合は？

派遣での再就職が決まった場合でも採用証明書が必要になる場合があります。

派遣の場合、「派遣先」ではなく「派遣元」が採用証明書を記入することになります。

派遣元企業は派遣先企業との派遣契約に基づいて採用証明書を記入してください。

中途採用で採用証明書が必要になる「再就職手当」の支給要件

雇用保険の再就職手当の受給は、次の8つの条件のすべてに当てはまることが条件です。

・いわゆる”失業保険”（雇用保険の基本手当）支給残日数が所定給付日数の3分の1以上
・1年を超えて引き続き雇用される（更新を含む）ことが確実である
・離職前の事業主に再び雇用されたものでない
・離職票を提出してから失業している7日間が経過した後（待機後）の就職である
・給付制限を受けた場合は、待期満了後1カ月についてはハローワークまたは職業紹介事業者の紹介により職業についたこと
・就職日前3年以内の就職について再就職手当または常用就職支度手当の支給を受けていないこと
・受給資格決定日前に採用が内定していた事業主に雇用されていないこと
・原則として、再就職により雇用保険の被保険者となること

内定者から採用証明書の記入を求められた場合は、予備知識として上記の条件を覚えておいてください。

中途採用での採用証明書　まとめ

１　採用証明書は雇い入れる企業が、内定者の求めに応じて記入する

２　提出期限に間に合いそうもないときはハローワークに連絡

３　派遣社員での就職の場合は派遣元企業が採用証明書を記入

最後まで読んでいただきありがとうございます。